2008年1月29日火曜日

旬魚酒菜 五郎@古町

予算¥5,350(生ビール¥500、純米吟醸 緑¥700、五郎酒¥500、ヤリイカ刺¥500、南蛮エビ刺¥600、のどぐろ塩焼¥時価、付出(ブリ大根、青菜と揚げの炊いたん、大学芋))

今宵の宿は新潟で取ることに予め決めていた。ゆっくり腰を据えて呑めそうな店を下調べし、候補として"五郎"を選び出していた。万代にも店を出した事を地方誌で知るが、やはり夜遊びといえば古町が気分なのでそちらへと向かう事にした。

"旬魚酒菜 五郎"
キャッチがたむろする、うす暗いアーケード街を抜けていく。小さな看板に導かれて雑居ビルの奥まったところにある入り口を潜った。一時期流行った民芸調の内装、調理場を囲むようにカウンターが廻りこむ。その背後は狭い通路を挟み、小上がりになっている。入り口で靴を脱ぎ、カウンターの隅に腰を据える。立ちこめる紫煙が鼻を衝き、背後からは大虎達の猥談が響き渡る。古町とはいえ、少し度が過ぎるかも知れない。注文を待つ間、居心地の悪さは堆く積み上がっていった。

三日前にスルメイカの沖漬けを食べ蕁麻疹を出したばかりなのに、性懲りもなく頼んだヤリイカの刺身。これがまたハズレで、この店を選んだことを後悔し始めた頃、次の南蛮エビが出てきた。少し大ぶりな甘エビ(実際同じ品種である)といった見かけのこの南蛮エビは、記憶にある限りでは最も甘く、爽やかな香りの甘エビであった。少し機嫌も直り、緑、五郎酒と呑み進める。よく冷えた竹筒に入れられた"緑"はスッキリとした飲み口の吟醸らしい味で美味かったが、"五郎酒"の方は純米酒っぽい荒々しさが少しこれらのアテとは合わない。
のどぐろ塩焼も大変美味しく、アテ、サケ共に満足させられるものだったのだが、店が良くない。料金が予想よりかなり高かった事も気になる。次回この地を訪れたときは他の店を試してみたい。

旬魚酒菜 五郎 古町店
住所:新潟県新潟市中央区古町通8番町1446 一蔵ビル 1F 居酒屋マップ
電話:025-229-5379
営業時間:17:30~25:00
定休日:無休
公式サイト


【アフィリエイト】
南蛮エビと甘エビの違いだって?そんなの当り前じゃないか!新潟で捕れるホッコクアカエビは南蛮エビ。他のところはすべて甘エビだよ。そう、それだけ甘さと旨さが違うんだよ。新潟で甘エビくださいって、言ってごらん。
殴られるよ!気をつけな!俺たちは、新潟で獲れる魚に誇りをもっているんだ。

食の陣実行委員会

2008年1月27日日曜日

洋食の店 自由軒@六甲道

予算¥2,000(カキフライ¥800(11月から3月までの限定メニュー)、オムライス¥600、ビール大瓶¥600)

今まで一度も書いていないはずだが好きなメニューの一つにオムライスがある。

"洋食の店 自由軒"
何度この店の前を素通りしたことであろうか。夜の帳が降り、黄色い光を放つ看板の前にはいつも駐車場いっぱいの車達が並ぶ。
しかし、今夜は一台も駐まっていない。否、正確に言わせて貰うと一台走り去るところに出会した訳だが。
店内には二人ほどしかいなかった。席はいくらでも空いていた。いくらでも好きな席を選ぶことが出来た。
しかし、何故かいつ来ても座る事になる正面より少し右にずれた席にまたいつものように着いた。

先ずここに来たならオムライスを頼まないわけにはいかない。それと季節モノの牡蠣フライ、合わせるは麒麟ラガービール。
ビールを半分ほど空けた頃、牡蠣フライが供される。大ぶりの牡蠣が六個、絶妙な揚げ加減の半生状態である。これをちょっと酸味の強い自家製のタルタルソースで食べる。牡蠣から溢れるスープとタルタルが相まって美味い。
続けてオムライスも出来上がってきた。それを成すのは、ご飯一合分ほども量があろう、甘酸っぱいちょっとベチャッとした感じのケチャップライスと、そこに見え隠れする鶏胸肉と少し焦げたタマネギという構成のシンプル具。それらを極々薄く焼かれた薄焼き玉子がうっすらと包み込み、真っ赤なケチャップを纏う。
こう書いてみると、ちっとも美味しそうではないのだが絶妙に美味い。近くにはあの有名な"御影公会堂食堂"があるが、ここのオムライスの方が10倍は美味い、と個人的には思う。

そしてまたいつも通りに満足感いっぱい、お腹いっぱいで店を後にした。

最後にこの店で不満な点が二つだけあるのでそれを述べておく。
一つ目はいつも混んでいてなかなか寄れない事、それから換気が悪くて服が油臭くなる事、そして、オムライスだけでお腹がいっぱいに成ってしまう事。おっと、うっかり三つあげてしまった。

洋食の店 自由軒
住所:神戸市灘区高徳町6-3-10 エスペランサ六甲103号 洋食マップ
電話:078-821-8670
営業時間:12:00~14:30、17:00~21:30
定休日:水曜

2008年1月25日金曜日

小川家@福井

予算¥480(ソースかつ丼(ヒレカツ並)¥480)

40分余りの乗り換えの合間、暇を持て余し改札を出た。
福井といえばソースカツ丼。ソースカツ丼といえばヨーロッパ軒。
しかし、40分という時間はそこを訪れるには短すぎる。その代わりといっては何だが、駅近にソースカツ丼の文字を見付け、その扉を潜った。

"小川家"
吉野家にも似たコの字型のカウンター、そこに置かれた紅ショウガの容器までそっくりだった。ここ福井に於いてソースカツ丼の存在は、牛丼的立場なのかも知れない。
壁に貼られたメニューにはヒレ三枚、ロース四枚、共に480円とある。パ軒のカツはヒレだったはず。ソースカツ丼のカツはヒレが一般的なのかも知れない。比較してみる為にもヒレで頼んでみた。

細かく挽かれた衣を纏い軽く揚げられた柔らかなカツ。ウスターソースに浸され、ご飯の上に綺麗に並んでいる。それを一口囓ると少々強めの酸味を感じる。と共に一瞬、ビネガーの香りが鼻を突いた。
食べ進めるにつれ飽きが来る。味を変えてみようと思い、紅ショウガと併せて食してみるが、これはないな。何故置いてあるか理解に苦しむ。次はマスタードマヨ。これはアリだ。やはりマヨラーにとってマヨネーズは万能調味料といったところか。

以前は380円だったらしいが480円でも十分安い。まぁ、パ軒が高すぎという話しもあるが。

小川家 福井駅前店
住所:福井県福井市中央1-1-5 かつ丼マップ
電話:0776-26-0148
営業時間:07:00~23:00
定休日:無休

2008年1月21日月曜日

味処 正ちゃん@日置

予算¥890(首折れサバ刺身定食¥890(サラダバー、コーヒー付))

鹿児島南海で奨められた道、"指宿スカイライン"にて良い感じにFタイヤの皮剥きを済ませ、東シナ海を目指した。
時刻は昼を廻り、開聞岳を登る前に食べたカロリーメイトは既に消化され尽くしていた。何処か食事が出来るところは無いかと探しながら走るが、峠越えの県道にはもちろんそんなモノは存在しない。遂に店らしき店も発見できぬまま、国道へと合流し、ポツリポツリと散在する集落を抜けていく。やがてトラックや営業バンでいっぱいの食堂を見つけ、迷わずバイクを駐めた。

"味処 正ちゃん"
外の駐車場と同じく、店内は溢れんばかりの人で、かろうじてカウンターに二、三、空いた席を認める事が出来るという盛況ぶりである。
その理由は直ぐに分かった。全ての定食にはサラダバーとホットコーヒーが付く、とあるのだがこのサービスが半端ではない。サラダバーといいつつ、それぞれが定食屋の単品となりそうなお総菜が、大皿に七、八種類は並ぶ。
とびきり美味い、という事はないが、これはこれで十分な味である。それに加えて、サラダ、フルーツ、デザートまで並んでいるのだ。
これだけでかなり腹を膨らませてしまったが、メインを忘れてしまってはいけない。首折れサバ刺身、これも結構なボリュームである。その赤みの強い身は、脂が少なく、コリコリした食感がよい。もちろん新鮮で鯖独特の臭味などまるでない。
残念ながらデザートは別腹ではないので試すことは出来なかったが、久しぶりに満足度の高い店であった。

少しくらい遠回りしても立ち寄りたい、そう思わせる良い店である。

味処 正ちゃん 日吉店
住所:鹿児島県日置市日吉町吉利1589-4 海鮮マップ
電話:099-292-4314
営業時間:11:00-14:00、17:00-24:00
定休日:日曜
参考サイト

2008年1月19日土曜日

骨付鳥 一鶴@坂出

予算¥977(おやどり¥977)

四国へ上陸したついでに、丸亀へと足を延ばした。ただ、一鶴の骨付鳥を食べるためだけにである。

"骨付鳥 一鶴"
ビルの上に掲げられた看板を見つけ、店へと急いだ。
ビジネスホテルか、ちょっと高めのワンルームマンションといった感じの、狭くうす暗い入り口より中へ進む。店内は想像していたよりもずっと重厚な雰囲気であり、ちょっとしたレストランといった感じであった。
客は平日の昼間ということもあり、テーブルに一組の家族、奥のカウンターには営業廻り中といったスーツ姿の中年が一人だけである。私はちょっと居心地の悪さを感じながらも、細長い坪庭を望むカウンターに着く。もちろんこれはイメージしていた店との違いによるモノであり、直ぐにそんなモノは感じ無くなってしまった。
チラッとメニューを見はしたモノの、頼むのは当然"おやどり"である。暫し待たされ、焼きたてのおやどりが運ばれてくる。曾ては洋食屋でよく見掛けた、エビフライ、ポテトサラダ、ケチャップで味付けされたスパゲティーなどが盛られていたような、ステンレスで造られた楕円の皿に盛られて。
皿の底には赤みを帯びた脂がたっぷりと溜まっている。左手で骨をつかみ、それに合わせて右手の箸でつまみながら、その脂の池より骨付鳥を引き上げる。滴り落ちる脂で辺りを汚さないように気を遣いながらかぶりつく。ガッツリと効いた塩、ガーリックの香りと、スパイシーな辛さが広がる。思わずビールを頼みたくなったのだが、この後の"神谷神社"までの行程を考えると、躊躇される。替わりといっては何だが、添えられたキャベツをバリバリと貪ることで我慢することにした。

いつの間にやら大阪にも支店が出来たようなので、今度はこっちでビールと共にゆっくりと楽しみたい。

骨付鳥 一鶴(いっかく)丸亀本店
住所:香川県丸亀市浜町317 焼鳥マップ
電話:0877-22-9111
営業時間:11:00~14:00、16:00~22:00(平日)11:00~22:00(土日祝)
定休日:無休(年末年始を除く)
参考サイト

神谷神社(かんだにじんじゃ)
住所:香川県坂出市神谷町621
電話:0877-47-0770
祭神:火結命(ほむすびのみこと)奥津彦命(おきつひこのみこと)奥津姫命(おきつひめのみこと)
神階:正一位?
神紋:三つ巴
旧社格:郷社
式内社

【国宝】
本殿:(S30.02.02指定)三間社流造、檜皮葺、鎌倉前期(建保7)

2008年1月17日木曜日

Positive Imbalance 歩路庵@六甲道

予算¥17,600(男2人女1人)(キリンラガー生中¥500x2、琥珀の時間生中¥600x2、奥播磨 純米720ml¥3,000、米焼酎 契約米¥600、芋焼酎 黒の曙¥600、紀州ヨコワとアボカドのカルパッチョ わさび風味のシーザーソース¥1,600、明石産あおりイカの網焼きグリエ フレッシュイカスミのソース¥1,900、タタキ地鶏玉子の黄身ポン酢¥1,800、明石昼網活ダコのお造り¥1,200、熊本産ハマグリの白ワインソースボンゴレ¥1,600、特選 神戸牛のたたき寿司¥1,700、ガーリックトースト カニみそのディップ添え¥600、イタリアパルマ産生ハムパルメジャーノレジャーノ添え¥800)

仕事帰りに全員集合ということで、"Positive Imbalance"へと出かけた。以前より一度行ってみたいと思っていたのだが、何となく行きそびれていた店だ。

"Positive Imbalance 歩路庵"
またいつもの如く少し遅れて到着する。カウンターの二人を確認すると中へと入っていった。
店の中は、外から見ると開口部が大きく取られているので寒そうな印象を受けるが、ストーブも焚かれ、寧ろ熱い位である。
荷物を預け、横に座り、メニューを開く。既に二、三品頼んでいるというので被らないように幾つか追加した。

ヨコワとアボカドのカルパッチョはそれ程でもないなぁ、と思ったのだが、次に出てきたあおりイカの網焼きグリエが非常に美味しかった。ソースの味付け、火加減がとても良い。続くタタキ地鶏や活ダコのお造りも素材の味がしっかり楽しめ、中々良い素材を使っていることが覗える。
こうして杯を進めていくと、席は直ぐにいっぱいになり、満席で帰る人も度々出始めた。あまりキャパの広い店では無いので、予約しておいた方が良さそうだ。今回は運良く、空いている時間帯に入ることが出来たのだが。

中途半端にバブルな香りがする2階までガラス張りとなったファサードや、ポジティブ アンバランス(何故かインバランスではない)を略して、"歩路庵"などという漢字を当ててしまうネーミングセンスなど、妙な気恥ずかしさを感じさせる店ではあるが、そのソツのない接客や、丁寧に仕上げられた料理はかなり質が高いといえる。
今回は日本酒な気分だったので頼まず仕舞いではあったが、ワインが揃っているというのも嬉しい。また一つ、良い店を見つけた。

家に帰り、scottに"Imbalance"と"Unbalance"の違いを教えて貰ったのだが、scottの日本語が拙い所為か、ビール、日本酒、焼酎の酔いが今頃廻ってきた所為か、どうもよく分からない。何となく気分的に違うことだけが分かっただけに留まった。

Positive Imbalance 歩路庵(ポジティブ アンバランス ポジアン)
住所:神戸市灘区弓木町5-3-22WINGS 1F 各国料理マップ
電話:078-842-7670
営業時間:18:00~23:00
定休日:第3月曜、火曜
参考サイト
誕生日@歩路庵

2008年1月14日月曜日

バラパン@直江津

予算¥280(サラダ¥130、ハンバーグ¥150)

慌ただしく越後國一宮居多神社へと向かう途中、ちょっと気になる店を見つけた。それは田舎に行くとたまに見掛けるような、老舗ではあるが垢抜けない、風情や貫禄を醸し出すわけではなく、ただ年を重ねるに連れ古びていくだけ、といった店構えのパン屋。こんな店は当たり外れが激しいのだが、やけに気になる。
結局は帰りに寄る事となるのだが、もうこの時点で一本電車を遅らせようという気になっていたのかも知れない。

"バラパン"
年季の入ったガラス戸をガラガラと開け、中へと入る。するとそこには、先客が一人居り"予約していた者ですが"と、店の奥に声をかけていた。間もなく、巨大な袋二つ運ばれてくる。五千円近い金額だ。子供会でも行われるのであろうか?まさか一家で食べることはあるまい。

暫し待たされるが、その間に欲しいパンを吟味させてもらう。気に入らなかったらイヤなので、二つくらいが妥当な線であろう。
先ずサラダは外せない。これはパッと見の印象で決めた。それともう一つを選ぶわけだが、これが中々決めることが出来なかった。始めはカツにしようかと思ったのだが、その断面から覗く脂身の多さが嫌だった。チーズも美味しそうだが、味が予想できて面白くない。カレーパン、アゲパンは朝から食べるのにはキツ過ぎる。と二転三転していき、結局は消去法でハンバーグに落ち着いた。

小腹が空いたので先ほどのパンを取り出す。先ずはサラダから頂く。
無骨で素朴な表情のそのパンは、しっとりと柔らかくほのかに甘い。少し焦げた香りがまた食欲をそそる。それに細かく刻まれたキャベツ、キュウリ、ハム、申し訳程度のマカロニがマヨネーズで和えられ、たっぷりと挟まれている。この自家製と思われるサラダの酸味がパンの甘みと良く合い、美味い。
ハンバーグはまぁ何だ、予想通りの冷凍ハンバーグ味、照り焼きソース添えといったモノ。サラダを二つ買った方が良かったかもしれない。

それにしても中々良い店であった。次に直江津を訪れたときは他の物も試してみたい。

バラパン 西本町店
住所:新潟県上越市西本町3-2-28 パンマップ
電話:025-544-1916
参考サイト

居多神社(こたじんじゃ)
住所:新潟県上越市五智6-1-11
祭神:大国主命
神紋:三つ巴
旧社格:県社
越後國一宮、式内社
延喜式ではケタと読む。越中國一宮 気多神社、能登國一宮 気多大社を筆頭に北陸にはケタ神社が多い。暇が有れば調べてみたい

2008年1月11日金曜日

手打免許 さぬき麺業本店@高松

予算¥380(生じょうゆ大(ひや)¥300、半熟玉子天¥80)

カバンの中に入れっぱなしの携帯、そこに別れて以来連絡を取ったことのない彼女の着歴を見つけた。中坊の頃もらったラブレターが思い掛けないトコから出てきた時のように、ドキリとさせられる。
既に二時間ばかり時が過ぎている。見なかったことにしようかと、一度閉じる。思い直して1417をコールする。
"新しいメッセージはお預かりしておりません"
予想通りのメッセージが流れてきた。メールも試してみるが、デーモンさんからお返事が返ってくるだけだった。徐々に気持ちも落ち着いてくる。いよいよ掛け直してみることにする。暫くコールが続き、やがて留守電へと切り替わった。半ばガッカリ、半ばホッとした気持ちで電話を切った。

"手打免許 さぬき麺業本店"
今回、高松を訪れたのは、そんな電話があった所為かもしれない。その彼女と別れた後にも幾度か高松まで足を運んではいたものの、その店を訪ねてみようなどとは、一度たりとも思わなかった。二人で訪れた二軒の讃岐うどん屋。そのカウンターでうどんを頼む時、どんな思いが蘇るのであろうか?

記憶を頼りにアーケードを辿る。さぬき麺業本店はそこに替わらず在った。その前を通り過ぎ、そこよりも一軒目に立ち寄った店を探していた。
狭い間口から奥に長く続くカウンター。目の前では平たいメリケン粉の板が規則正しく刻まれ、次々に茹で上げられていく。虫取り網よりも尚大きい無骨な網ですくい上げられ、冷水で締められていく。二人並んで食べた、その時の会話まで鮮やかに思い出された。
遂に商店街の外れまで来てしまった。その店を見逃すはずはない。念のため他の筋も探す。やはり無い。店を閉めてしまったと云うことか。在って当然と思っていたモノが、そこには無くなっていた。

多少のショックを感じながら、さぬき麺業本店の扉を開く。ここは以前と変わらず、閑散としている。そして以前と変わらぬ、茹でおきの柔らかくなったうどん。醤油を廻しかけ一気に啜り込んだ。

変わったモノは、二人の関係と高松の街並み。
去ったのモノは、曾て愛しき人と七年もの年月。
残されたモノは、変わらぬ思い出と延びたうどん。

手打免許 さぬき麺業本店
住所:香川県高松市兵庫町11-9 饂飩マップ
電話:087-851-5090
営業時間:7:00~17:00(1階)、11:00~21:00(2・3階)
定休日:1/1、1/2
参考サイト

2008年1月10日木曜日

名代 牛たん焼 ちの@仙台

予算¥1,450(牛たん定食(塩)¥1,450)

仙台といえば牛タン。以前、仙台で暮らしていた時にはそれ程、牛タン、牛タンしたイメージは無かったのだが(敢えて言うなら笹蒲、萩の月といったイメージであった)、ここ十年位でその様なイメージが定着した様に思える。私もその例に漏れず、仙台に立ち寄った時には牛タンを食べないと何となく悪いことをしたような気になってしまう様になった。
というわけで、雪の舞い散る中、オトウトさんオススメの利久を目指して歩いていた。ところが残念なことに、年末の休業に入ってしまってる。仕方がないので適当な店へと入ってみた。

"名代 牛たん焼 ちの"
消極的に選んだ店ではあったが、そこそこの賑わいを見せている。カウンターに着き、牛たん定食を塩で頼んだ。手持ち無沙汰ついでに、焼き場が目に付いたのでボーッと眺めてみる。あまり手際が良くないのが気になった。あれが俺のかなぁ、等と思っていると早速運ばれてきた。

牛タンを一つ口に運ぶ。塩を頼んだハズなのだが、味噌の風味が漂う。味噌を焼いた焼き網をそのまま使っているらしく、風味が移ってしまっている。もちろん味噌が嫌いなわけでは無いのだが、塩で頼んだ時は塩で味わいたい。
それと全体的に辛すぎであるし、麦飯は柔らかすぎる(コレは好みの問題だが)。一番美味かったのが"なんばん味噌漬"という始末である。

三島のモツ煮といい、ココの牛タンといい、今回の旅はハズレが多い。気を取り直して伊達の牛たん本舗のなんばん味噌漬でも買って帰るとしよう。

名代 牛たん焼 ちの
住所:宮城県仙台市青葉区中央1-7-39 肉料理マップ
電話:022-215-9266


【アフィリエイト】
なんばん味噌漬はダテじゃない!

2008年1月8日火曜日

お食事処とみや@宇和島

予算¥1,300(鯛めし定食¥1,300)

それを食べたいが為にその町を訪れる、というほど魅力的な郷土料理が日本各地に多く存在する。宇和島の"鯛めし"、それはその内の一つ。四国を訪れたからにはコレを食べないわけにはいかない。
最初に向かった店は"丸水"。見窄らしい旅装束では、その暖簾を潜るのが躊躇されるほどの勿体ぶった佇まい。明らかに場違いな雰囲気を感じ、他の店を探すために駅前へと訪れた。

"お食事処とみや"
鯛めしの文字を見つけ、バイクを駐める。店の前にはメニューやサンプルと並び、"ワッキーの地名しりとり"でこの店を一位に選んだとの張り紙が。やはりこんな俗な店が入りやすくて良い。
微妙な時間の所為か店内には私一人だけ。居酒屋と食堂を足して二で割ったといった店内はのんびり出来て居心地もよい。
程なくして鯛めしが出てくる。ぽつんと卵黄の浮かんだ甘いタレに、刻み海苔、ネギ等の薬味を加え、鯛の切り身を浸して熱々のご飯にかけて食べる。只それだけの料理なのだがコレが滅法美味い。わざわざ宇和島まで来た甲斐があるってもんだ。

腹も膨らんだ事だし、後はじゃこ天と地酒を仕入れて日本酒不毛地帯、九州を目指すだけだ。

宇和海活魚料理 お食事処とみや
住所:愛媛県宇和島市錦町9-9 海鮮マップ
電話:0895-22-1697
営業時間:11:00~14:00、16:00~21:00
定休日:木曜
参考サイト


【アフィリエイト】
ワッキーは何処に行ったのでしょう?

2008年1月7日月曜日

交通規制@富士山スカイライン

リスペクト自生山那谷寺霊と共に霊峰月山三度目の立ちゴケワインディングロード続・ワインディングロード続続・ワインディングロード榛名神社

10泊11日
九日目536km
道の駅たじま-R121-R119-R120(いろは坂、金精道路)-r267-赤城道路-赤城神社-r4-r34-r120-r26-r15-水澤観音-大澤屋-r15-r33-榛名神社-r33-R18-おぎのや-R18-r9-R141-r120-r93-新海神社-竜岡城跡-r93-R141-R20-甲斐善光寺-R358-上久の湯-R358-R139-r72-天神橋-r72-r180-チャンティック-r180-富士山スカイライン-新五合目

霧の中、富士の裾野をぐるりと半分ばかり回り込む。電光掲示板には"富士山スカイライン規制中"の文字がボンヤリと浮かんでいる。20日から規制解除だとばかり思い込んでいたのだが、20日まで規制と云うことか。最悪、御殿場口からのアプローチも想定しながら富士宮口に向かう。

警備員に聞くと午前0時を持って解除されるという。御来光目当てではないので麓にて仮眠し、夜明けと共に上がってきても良かったのだが少しでも高度順応しておきたかった。

漸くの規制解除、夜中の富士山スカイラインを徐々に高度を上げていく。低い気温、薄い空気はメッシュジャケット一枚の身体及びキャブレターを容赦なく痛めつけていく。
ヘッドライトが暗闇を切り裂く。一切の灯りがない漆黒の暗闇。後ろを走る車の灯りも今はもう感じられない。深夜、山を駆け抜ける時に感じる独特の孤独感に包まれていった。
突然テールランプがぽつんと灯る。あまりペースを上げていたつもりは無いが先導車に追いついてしまっていた。カーブに差し掛かる度に踏み込まれるアクセル。ディーゼル車特有の黒煙を浴びせ掛けられる。
堪らずペースを落とす。エンストに気を遣いながら車間距離を保つのが辛い。高度が上がるのと共にパワーが無くなるのを実感させられていた。
ヘアピンを抜けると、夜空に浮かび上がるかのように駐車場が姿を現した。係員の案内に従って登山口近くへとバイクを駐める。ギアを一速に入れたままキルスイッチをオフにした。暫しの静寂に包まれる。手を伸ばせば届きそうなほど星が近い。程なくしてその暗がりはヘッドライトで埋め尽くされ始めた。
ご来光を目指し、早速登山を始める人々を見送る。バイクの横の狭い空間に座り込み、寝酒をそっと舐めながら明日の晴天をただ祈った(既に今日であったか)

新海三社神社(しんかいさんしゃ)
住所:長野県佐久市田口2394 神社マップ
祭神:興波岐命(おきはぎのみこと)
神紋:梶の葉
旧社格:県社
式内社、佐久三庄三十六郷の総社
【国重文】
三重塔:(M40.08.28指定)、三間三重塔婆、こけら葺、室町後期(永正12)
東本社:(S12.07.29指定)、一間社流造、檜皮葺、室町後期、信玄再興

竜岡城(五稜郭)
住所:長野県佐久市臼田町田口字田中
電話:0267-82-0230
遺構:台所櫓、石垣、水堀
稜堡式築城法、田口藩最後の藩主乗謨により、元治元年(1864)3月着工、慶応三年(1867)竣工、廃藩後明治5年、城は取り壊し。
参考URL