2014年5月27日火曜日

2013年7月15日月曜日

2013年7月8日月曜日

あさひ食堂

予算¥2,200(豚肩ロースとんてき¥1,100 アサヒスーパードライ大瓶¥550x2)

「お、おいしい♡」一口食べてそう思った。
「お口の中で肉汁が♡」なんてことはないが、ソースの甘みが柔らかな豚肩ロースを包み込み、しっとりとした歯応えが心地よかった。
「外はパリパリ中はジューシー♡」ってなことはまったく無いのだけれど、サクッとした豚の食感にホクホクとしたニンニクがなんとも言えず美味かった。
そして四日市名物だというのに、この「トンテキ」にたどり着くまでかなりの紆余曲折があったのだった。


御在所帰りに、改札を抜けアーケードへ向かった。 そこはよくある地方都市の駅前のように、しもた屋が建ち並ぶと云った風情ではないのだが、そこは日曜だからなのか、いまだ午前中だからかはしらんけど、ろくに酒が呑めそうな店などありそうも無かった。

そして徐々にその散策範囲を拡げていくにつれ「五十路おばさん助平ったらしい尻」とか「密室女性トイレ 洩れる喘ぎ声」なんてポスターを掲げている映画館なんかがあったり、熟女何とかとかキャンパスパブとかよく分からない看板が並ぶ一角をぶらつく羽目となっていた。


ようやく洋食屋に出くわしたと思っても、松坂牛のステーキを出したりするような微妙にB級を踏み外した店であって、当然のようにB級の代表格「トンテキ」なるものはそこに名を連ねていなかったりもした。
更にさまよい歩いても「トンテキ」を掲げる店を見かけない。あるのは中華屋やラーメン屋にカレー屋と云った按配だった。

それならば一層の事と駅裏へと向かい、全品¥500の定食(コーヒー付)を出す居酒屋で、¥500ならハズレでもいいやろとハンバーグ定食を選んだりもした。小鉢をアテにビールを頼んでもって気持ちもあったからだ。
牛肉タップリのハンバーグに千切りキャベツを添えて、小鉢には揚げなどを炊いたんと小さな冷奴がひとつ。あとは沢庵が4切れと多いが、味噌汁の具は寂しかった。食後にちょっとだけですけれどとデミタスカップで供されたコーヒーは、単なるオマケとは違うよなってくらいには美味しかったのだけれども、残念ながらビールを傾けるといった感じには成れなかったのも確かだった。


その物足りなさゆえに、餃子に麦酒とでも、あるいはちょこっとトンテキとでも、ってな感じで駅へ戻りながらビールを美味しくいただけそうな店を探し求めた。

そして呆気なくそれはあった。トンテキ専門店「ちゃん」
しかしそれは明らかにガッツリ系の店であって、ラーメンとセットであったり、山盛りな定食であったりしたのだった。腹がソコソコ満たされたボクは、ラーメンだとかご飯だとか余計なもの入らないので、ここは却下。
それならば、アサヒビールの直営店にでもとも思ったが、 料理を注文された方は生ビール半額ってのが これまたボクの癇に障り入るのを止めた。

再び線路をくぐり、夜の歓楽街方面へと向う。
するとすぐに新味覚の看板を見付けた。
新味覚があるなら、それこそそこで餃子で一杯で丁度いいではないか、と餃子にビールを頼んだ。
しゃきしゃきとした野菜に、肉のうまみ、ニンニクたっぷりのラー油を加えた、うまい餃子にうまいビールで充分満足したはずなのに、何故か満たされないところがあった。


「トンテキ」なぜそんなものにこれほど固執しているのだろう。肉などさして好きではないし、ましてや豚など年に何回も口にするのことはない。

かつて日本中を何周かバイクで廻っていた頃、各地の郷土色豊かなものを、貧乏ゆえにB級なものばかりを食い散らかして旅していた。そして四日市には来来憲のトンテキがあると聞いて、ツーリングマップルにも書き込んでいたのだった。
それでも豚肉が好きではないから、幾度と無く四日市を訪れてもそれを食す機会は一度としてなかったのだ。

そして、そのトンテキを出す店が目の前にあった。
その看板は、今日四日市を訪れて早々に、というか、前日御在所を登る前に見かけていたものだった。
そしてそれは昼呑み出来そうな店だなって漠然と思っていた店だった。

暖簾をくぐる。中にはテーブルが十ほど並んでいるであろうか。そのすべてに客が着いていた。
「相席でも良いですか」
もちろんかまわない。

ボクの前にいたお客さんはちょうど食べ終わったばかりで、すぐ会計を済ませた。

頼んだのはビールと、¥1,100って値段に躊躇したけれど「トンテキ」
「トンテキ」を食べに来たのにそれを頼まないってのは、ワケが分からない。

「15分ほどお時間を頂戴しますが」
腹ごなしに遅ければ遅いほどいい感じだ。コンパまでにはまだまだ時間がある。

すぐに二人連れの老人が相席となる。
ひとりは杖を突き、ちんばをひく。ふたりともガッツリ墨を入れている。

「あのねーちゃん、不細工やけどよう動きよるやろ」店員の一人を指差し、言う。
「ユッキーナ、お前チチ無いやろ」そんなセクハラまがいの発言にも、遠慮なく叱り付ける彼女らの接客は、大阪っぽくてなんとも心地よい。

「もうすぐ、この店出るで」
ブラウン管の中では、照英があさひ食堂の「トンテキ」を美味そうに食っていた。

2013年6月28日金曜日

2012年12月21日金曜日

Filomena Ristorante

予算$500くらい(大人8人子供3人)SCAMPI DI CORRADO ALLA VODKA $32、Villa Cerna "Riserva" Chianti Classico 2005、etc

  「次回はもう少し遠いところの話をしたいと思う」  なんて曳きをしながらも長いこと放置していたのは、U.S.Aに行っていて気軽に更新できる環境に居なかったから、なんてことは全くて、ただただ面倒くさかったからってことは、言わずもがなだろうけれども、敢えて言ってみたりもする。
  そんなこんなで、気乗りしないながらにも今回筆を取ったのは、あまりにも放置しすぎていると記憶は薄れ、ちょこっと感動した場面ですら過剰に美化されてしまったり、仔細なことではあっても重要な事柄が忘れ去られてしまったりして、なるべく旅の記録を正確に取っていこうというボクのblogを遣る上での趣旨から逸脱してしまうのではないかなって思ったからだった。

  それは、息子とワシントンD.C.のロハな美術館を練歩き、アメリカンなファーマシーでは日本では手に入らないようなdrugを仕入れ、駅に隣接したショッピングモールのBookstoreでモレスキンの手帳を買い求めた後のことだった。
  約束の時間ぎりぎりに、なんとも危なげな中華街を抜けてホテルに帰り、空港帰りの時とは違って加算されない割安かなって思えるタクシーに20分くらい乗った後に、親父が行きたいと予約を入れたイタリアンな店の前に降り立った。

 地下へと続く階段の横では、日本でよく見かける店頭手打ちうどん実演の如く、いかにもイタリアのマンマといった女性がひたすらにラビオリを作り続けている。
  その姿に誘われたのか、英語で書かれたメニューを読み解くのが面倒だったのか、オヤジはラビオリを頼んだ。ボクは食べたいものを食べたかったので安易に決定せずに、じっくりとメニューに対峙する。

  Eight Large Shrimp pan seared with Extra Virgin Olive Oil.
 Bacon, Onions, Vodka and a touch of creamy Tomato Sauce served over Linguini Pasta.

 八尾の大きなエビをオリーブオイルで炒める。
 ベーコン、オニオン、ウオッカを加えたトマトクリームソースをリングイネにかける。
 これくらいならボクでもわかる。これに下ろしたてのパルメジャーノ・レッジャーノをたっぷりとかけてもらう。


 がっつりとこってりでかなりうまい。が、パスタだけで500gはあり、これだけで軽く2000kcalを超えてしまいそうだ。ラビオリはまるで水餃子のようなデカさだし、ニョッキも一口では食べられない。なにもかもがけた違いにデカい。

 それに加え、海鮮のフリッターを摘まみながら、どうにもこうにも水っぽいとしか言いようのないビールに始り、キャンティークラシコを6人で3本空け、サービスですと出された杏仁豆腐の香りのリキュールとアニス酒にコーヒー豆を二三粒加えて飲み干す。みんなアニス酒は嫌いだというので、ボク一人杯を重ねる。
 どのドルチェで〆ようかな、なんてガラスケースを眺めていた事も忘れ、腹ははちきれんばかりである。ボクはトイレに駆け込み、少し戻した。

Filomena Ristorante
住所:1063 Wisconsin Avenue, NW Washington, DC 20007
電話:(202) 338-8800 or 1 (888) FILOMENA
営業時間:LUNCH MON-SUN 11:00-3:30PM
DINNER MON-SUN 3:30-11:00PM
公式サイト