予算¥2,500(餃子(8ヶ)¥400x2、アサヒスーパードライ大瓶x2、キリンラガー大瓶x1、お茶)
昼を大分廻った頃。暖簾こそ上がってはいるが、客の姿もなく薄暗い店内。前回と同じように店の奥に声を掛ける。
「よくもまぁ、こんなクソ暑い中、クソ熱いもんを喰いに来はったな」
なんて相変わらずの憎まれ口をたたきながら姿を現す女将。
「餃子焼いて」「あとビール貰うで」と冷蔵庫からキリンに伸ばした手をアサヒに替え栓を抜く。普段なら見向きもしないスーパードライなどを選んだのは、早朝より多紀アルプスを越え、R175の照り返しにやられ、とにかく水分が欲しかったからに他ならなかった。
「インターネットを見て来たんか?」
「いや、前にも来たことあります」
「ゴメン、憶えてへんわ」
などと会話を交わすうちに早くも大瓶一本空けていた。
「もう一本もらうで」と今度はラガーを選んだ。
「どこから来はったん?」の問いに
「神戸から篠山を抜けてですわ」と返す。
「そういえば、以前にも御影から自転車で来た人がおったわ」なんて言葉も返ってくるが、憶えてますやん、なんてツッコミは敢えてせえへん。
「憶えてへん」なんて言われたからには、「それ、ボクですやん」なんて優しいツッコミなどするほどお人好しでもないからだ。
あまりのも甘すぎると思った玉葱を主体にした餡も、これまたしつこすぎると思った牛脂の香りをも、ボロボロなほどに疲れきった身体にはこれ程なく美味く感じられ、さらに餃子とスーパードライを頼んでいた。
「前に御影から来た30前半の人が・・・」なんて話題をぶり返すにつけても、素知らぬ振りを続けるのは、ボクの性格の悪さなんだろうななどとつくづく思う。
「もう一つ焼いて」と注文し、再びスーパードライを抜く頃には、最早チャリで帰る気など無くなっていた。
「火を落としていたら帰ってもらっていたわ」なんて店先で団扇を扇ぎながら涼む女将や、持ち帰りを頼む若妻なんかと無駄口を叩くうちに二時間ほどの時は流れていた。
「二千六百円、二千五百円でええで」の会計に遠慮なく、2,500円を差し出す。
「電車で帰るんやろ、お茶はあるんか?」と無理矢理渡された商品のペットボトルを片手に店を後にする。
「休みのときもあるから電話しといてな」と言われるのもまた来て欲しいからなんだろうと思うけれども、今度はママチャリなどで訪れてみて、「そういえば、神戸から篠山を廻って来た人がおったわ」なんて言わせてみたいと思うのは、ボクの天の邪鬼さ故なんだろう、なんてそれから一度も訪れぬ本多さんの事を思いだしては、思ってみたりもする。
本多
住所:兵庫県三木市福井1-9-17 餃子マップ
電話:0794-82-2234
営業時間:11:00~19:00
定休日:5、16、23、26日
2011年11月21日月曜日
2011年11月16日水曜日
酒房 なまくら
予算¥3,300(珠のつゆ(生原酒)冷酒一合¥800、華のつゆ(普通酒)燗一合¥600、にごり酒(純米)冷酒(小)¥600、雲のつゆ(本醸造)燗一合¥600、エイのひれ¥400、付出し(温泉卵))
豊臣秀吉が絶賛したという天野酒。かつては四軒の造り酒屋が在ったと云うが、現在は西條酒造さんただ一軒残るのみとなっている。
重厚な木製カウンターに照明を落とした店内にだんじりの鐘の音が風に乗り遠くから響いてくる。漬け物の盛り合わせ、じゃこおろし、胡麻豆腐にメザシなどとあくまで酒を楽しむための脇役なアテしか置かず、ビールすらなく自社で仕込んだ酒しか出さない潔さは、数十年己のこだわりを貫いてきたBarのような居心地の良さを漂わせていた。
どっしりとした「珠のつゆ」の旨さに触れ、「華のつゆ」を燗で頼む。カウンターに埋込まれた銅製の燗どうこでじんわりと燗付けたそれは、ひやで呑むよりも尖ったところが脱け、丸みが拡がり燗あがりのする良い酒である。猪口を舐めるように味わううちに、いつしか常連さん達は消え、店内にはボク一人だけになっていた。
「最近では祭の時ほど暇になってしまって」
祭に酒は付き物だというのになんとも寂しい話である。
「今頃はそない忙しくはないけど、十二月から三月くらいまでは季節限定であらばしりを出すからかなり混むんですよ」
「そうそう、京阪南海沿線酒場ってのに載ったときも、よう賑わったんですわ」
「スタンプを集めるとええもんが貰えたんやけど、もうおわってしもてますわ」と冊子を見せて頂いた。
何とも云えぬ居やすさに何か追加しようと「みぞれ酒」ってのは酒をシャーベット状に凍らせたもんですか?なんて聞いてみる。
「そうやけど、夏の暑い盛りに冷えたもんを出すためだけに置いてる酒であまりオススメはせえへん」「ほら、うっとこはビール置いてへんさかいその代わりやねん」
「それやったら「にごり酒」を貰いますわ」と、まあ本当はこっちが頼みたかったって品を順当に頼む。
「大吟醸のにごりやから旨いやろ」と言うだけあって粗野な中にも華やぎがあって、まっこと旨い酒である。
火入れしていない酒は一般には売られていないので、これらの生酒はここでしか味わえないのが残念なくらいだ。
「金剛山登ってはったんか?」
「いえ、適当な山ん中でテント張って明日登るつもりです」
「ほんなら線路を越えた処にある長野公園やったら、水道もトイレも東屋もあるからキャンプできるで」ってなことで幕営地も早々と決まったことだし、さらに腰を据えもう一本燗付けてもらう。
この「雲のつゆ」はさほど深まらず、燗には普通酒「華のつゆ」の方がより旨く感じた。吊し斗瓶囲いの大吟醸や大吟醸古酒なども大層旨いそうだが、小で1,300円に1,500円と少々値が張りすぎるので今回は諦めて、次回のおたのしみにとっておく。
そして晩酌にはやっぱり西條さんの酒を仕入れて行くのだった。
珠のつゆ(生原酒)本醸造 生酒 精米歩合61% Alc.19.5% 日本酒度+2.0 酸1.6 アミノ酸1.5
華のつゆ(普通酒)普通酒 精米歩合65% Alc.15.3% 日本酒度+0.5 酸1.5 アミノ酸1.1
にごり酒(純米)純米酒
雲のつゆ(本醸造)本醸造 精米歩合61% Alc.15.6% 日本酒度+2.0 酸1.6 アミノ酸1.5
酒房 なまくら
住所:大阪府河内長野市長野町5-1 ノバティながの南館1F
電話:0721-56-0056
営業時間:16:30~22:00
定休日:木曜
公式サイト
豊臣秀吉が絶賛したという天野酒。かつては四軒の造り酒屋が在ったと云うが、現在は西條酒造さんただ一軒残るのみとなっている。
重厚な木製カウンターに照明を落とした店内にだんじりの鐘の音が風に乗り遠くから響いてくる。漬け物の盛り合わせ、じゃこおろし、胡麻豆腐にメザシなどとあくまで酒を楽しむための脇役なアテしか置かず、ビールすらなく自社で仕込んだ酒しか出さない潔さは、数十年己のこだわりを貫いてきたBarのような居心地の良さを漂わせていた。
どっしりとした「珠のつゆ」の旨さに触れ、「華のつゆ」を燗で頼む。カウンターに埋込まれた銅製の燗どうこでじんわりと燗付けたそれは、ひやで呑むよりも尖ったところが脱け、丸みが拡がり燗あがりのする良い酒である。猪口を舐めるように味わううちに、いつしか常連さん達は消え、店内にはボク一人だけになっていた。
「最近では祭の時ほど暇になってしまって」
祭に酒は付き物だというのになんとも寂しい話である。
「今頃はそない忙しくはないけど、十二月から三月くらいまでは季節限定であらばしりを出すからかなり混むんですよ」
「そうそう、京阪南海沿線酒場ってのに載ったときも、よう賑わったんですわ」
「スタンプを集めるとええもんが貰えたんやけど、もうおわってしもてますわ」と冊子を見せて頂いた。
何とも云えぬ居やすさに何か追加しようと「みぞれ酒」ってのは酒をシャーベット状に凍らせたもんですか?なんて聞いてみる。
「そうやけど、夏の暑い盛りに冷えたもんを出すためだけに置いてる酒であまりオススメはせえへん」「ほら、うっとこはビール置いてへんさかいその代わりやねん」
「それやったら「にごり酒」を貰いますわ」と、まあ本当はこっちが頼みたかったって品を順当に頼む。
「大吟醸のにごりやから旨いやろ」と言うだけあって粗野な中にも華やぎがあって、まっこと旨い酒である。
火入れしていない酒は一般には売られていないので、これらの生酒はここでしか味わえないのが残念なくらいだ。
「金剛山登ってはったんか?」
「いえ、適当な山ん中でテント張って明日登るつもりです」
「ほんなら線路を越えた処にある長野公園やったら、水道もトイレも東屋もあるからキャンプできるで」ってなことで幕営地も早々と決まったことだし、さらに腰を据えもう一本燗付けてもらう。
この「雲のつゆ」はさほど深まらず、燗には普通酒「華のつゆ」の方がより旨く感じた。吊し斗瓶囲いの大吟醸や大吟醸古酒なども大層旨いそうだが、小で1,300円に1,500円と少々値が張りすぎるので今回は諦めて、次回のおたのしみにとっておく。
そして晩酌にはやっぱり西條さんの酒を仕入れて行くのだった。
珠のつゆ(生原酒)本醸造 生酒 精米歩合61% Alc.19.5% 日本酒度+2.0 酸1.6 アミノ酸1.5
華のつゆ(普通酒)普通酒 精米歩合65% Alc.15.3% 日本酒度+0.5 酸1.5 アミノ酸1.1
にごり酒(純米)純米酒
雲のつゆ(本醸造)本醸造 精米歩合61% Alc.15.6% 日本酒度+2.0 酸1.6 アミノ酸1.5
酒房 なまくら
住所:大阪府河内長野市長野町5-1 ノバティながの南館1F
電話:0721-56-0056
営業時間:16:30~22:00
定休日:木曜
公式サイト
2011年11月15日火曜日
第6回水道筋ミュージック・ストリート
2011年11月10日木曜日
2011年11月7日月曜日
山長酒店
予算¥6,000+数千円(男2人)
「時間があったら呑み会の打合せをしませんか?」とメールが入り、会社帰りに二ビルで待合せ。
呑み会の計画に呑みに行こうなんて、何かしら理由づけして酒を呑みたいってだけであって、なんなら呑み会の計画に呑み会をしたいからその打合せをしようなんて呑み会を開いてもいいくらいなんだ。
「今日は一軒だけにしておこうな」
数多くの経験より、翌日仕事があるときはハシゴをしないようにと誓い合っていたというのにフラフラっとウメシンへと吸込まれていった。
とどのつまりは二日酔い。呑み会の打合せなんかしちゃいない。したかもしれんが覚えちゃいない。
山長酒店
住所:大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル地下1階
電話:06-6344-0228
営業時間:16:00~21:00
定休日:土日祝
公式サイト
「時間があったら呑み会の打合せをしませんか?」とメールが入り、会社帰りに二ビルで待合せ。
呑み会の計画に呑みに行こうなんて、何かしら理由づけして酒を呑みたいってだけであって、なんなら呑み会の計画に呑み会をしたいからその打合せをしようなんて呑み会を開いてもいいくらいなんだ。
「今日は一軒だけにしておこうな」
数多くの経験より、翌日仕事があるときはハシゴをしないようにと誓い合っていたというのにフラフラっとウメシンへと吸込まれていった。
とどのつまりは二日酔い。呑み会の打合せなんかしちゃいない。したかもしれんが覚えちゃいない。
山長酒店
住所:大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル地下1階
電話:06-6344-0228
営業時間:16:00~21:00
定休日:土日祝
公式サイト
2011年11月4日金曜日
缶バッチを探し求めたどり着いたBAR@汽笛亭
予算¥1,800(生中、カクテル、第6回水道筋ミュージック・ストリート全店共通券¥500)
新家、チンタと廻り、既に売り切れの返事を聞き、汽笛亭ならまだあるかも?の言葉を頼りに訪れた。
「あるっちゃーありますけど、ないっちゃーないですね」なんてなんとも歯切れの悪いこたえが帰ってきた。
「ボク用の開けてしまったサンプルならあるんですけど、それでもいいですか?」などとちっとも良くないような煮え切らない言葉を口にするが、構わず強奪する。
もちろんそれだけでは悪いので、生を飲み干し、ジントニックを追加する。
「すみません。ライムを切らしてしまって」の仕返しじみた返事に、カウンターに並び置かれたグラスに沈むライムを恨めしく眺めながら「それじゃあジンベースで炭酸系のカクテルを」と注文した。
ゴードンに何やらリキュールを加えてシェイク。コリンズグラス注ぎ入れロックアイスにレモン汁を加えてウィルキンソン ドライジンジャエールを注ぎ込み静かにステアして出来あがったそのカクテルのドライでハードな口当たりは美味かった様な気もするが、何分大分メートルを上げての事だからあまり確かではない。もちろん美味かったコトは確かではあるが、味はあまり覚えていない。ゴードンになんらかのリキュールにレモン汁にウィルキンソン ドライジンジャエールってコトすらユメウツツでウロオボエでしかナイノダカラ。
第6回水道筋ミュージック・ストリート
新家、チンタと廻り、既に売り切れの返事を聞き、汽笛亭ならまだあるかも?の言葉を頼りに訪れた。
「あるっちゃーありますけど、ないっちゃーないですね」なんてなんとも歯切れの悪いこたえが帰ってきた。
「ボク用の開けてしまったサンプルならあるんですけど、それでもいいですか?」などとちっとも良くないような煮え切らない言葉を口にするが、構わず強奪する。
もちろんそれだけでは悪いので、生を飲み干し、ジントニックを追加する。
「すみません。ライムを切らしてしまって」の仕返しじみた返事に、カウンターに並び置かれたグラスに沈むライムを恨めしく眺めながら「それじゃあジンベースで炭酸系のカクテルを」と注文した。
ゴードンに何やらリキュールを加えてシェイク。コリンズグラス注ぎ入れロックアイスにレモン汁を加えてウィルキンソン ドライジンジャエールを注ぎ込み静かにステアして出来あがったそのカクテルのドライでハードな口当たりは美味かった様な気もするが、何分大分メートルを上げての事だからあまり確かではない。もちろん美味かったコトは確かではあるが、味はあまり覚えていない。ゴードンになんらかのリキュールにレモン汁にウィルキンソン ドライジンジャエールってコトすらユメウツツでウロオボエでしかナイノダカラ。
第6回水道筋ミュージック・ストリート
2011年11月1日火曜日
雨の日は傘を借りに、な鮓や@彦六鮓
予算¥4,400(傘借り代¥4,400)
土曜出勤の会社帰り。ポツリポツリと顔を濡らしつける雨を受け、駅を下りても止まぬようなら雨宿りでもしようかと思っていた。
「本家は大丈夫だったんですか?」暖簾を潜るなり声を掛けられる。もちろん、先の地震を気にしての発言だった。
「植木鉢が割れた程度でたいしたことなかったみたいですよ」なんてそんな温い言葉を返していた。
こんな言葉を投げ掛けられるってことは、もちろん地震後に一度も訪れていなかったってことであって、その事実そのものに驚愕したりもする。
そこまで間を空けていたからには話も積もるのだが、いつも以上に酔いも廻り、二時間ほどで後にしたのだった。
彦六鮓
住所:神戸市灘区宮山町2丁目1-7
電話:078-851-7555
定休日:金曜
土曜出勤の会社帰り。ポツリポツリと顔を濡らしつける雨を受け、駅を下りても止まぬようなら雨宿りでもしようかと思っていた。
「本家は大丈夫だったんですか?」暖簾を潜るなり声を掛けられる。もちろん、先の地震を気にしての発言だった。
「植木鉢が割れた程度でたいしたことなかったみたいですよ」なんてそんな温い言葉を返していた。
こんな言葉を投げ掛けられるってことは、もちろん地震後に一度も訪れていなかったってことであって、その事実そのものに驚愕したりもする。
そこまで間を空けていたからには話も積もるのだが、いつも以上に酔いも廻り、二時間ほどで後にしたのだった。
彦六鮓
住所:神戸市灘区宮山町2丁目1-7
電話:078-851-7555
定休日:金曜
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