全行程:104.6km
暗峠
距離:3.0km
高低差:441.0m
Time:retire
ルート
GIANT warp RS2
3x8
F スリック1.75
R スリック1.75
西日本を襲った寒気団。とても十一月も半ばとは思えぬ寒さで、単車になど、乗るもナシ、見るもナシ、といった気分にさせられていた。こんな日は引き籠もってエロゲか、六甲山に駆け上がりトレランか、自転車に飛び乗ってヒルクライムか、猫が炬燵でまるくなるかに限る。というわけで氷点下かもしれない生駒山は暗峠へと向かった。
怠い怠い二国を抜け、更に輪を掛けて怠い、阪高東大阪線沿いを進む。途中、"関西一おいしい!ミンチカツ"で腹をいっぱいにし、くらがりの入り口へと到着した。
東箱殿?の交差点からヒルクライム開始。最初は緩い坂が続く。通勤路の方がよっぽど急なのでこの辺りはかなり余裕で足が動く。
しかし、近鉄奈良線の下を潜るといきなりの急坂、ギアを一気に落とす。その東大阪の街を見下ろす生駒の斜面にも、新たに建売住宅が建築されていることに驚きつつものダンシング。リアサス、フロントサスを激しく軋ませながら続け上る。
漸く住宅街を抜け、山道らしき処に差し掛かる。その境目、四ツ辻の先に続く急坂を見た途端、心は折れてしまった。胸の奥底からポキッと音が響き渡った。いや、ゲフッだったかもしれない。もうここまでで急坂はお腹いっぱいだった。気持ち的にも一杯一杯だった。いくら無料でもご飯を大盛りにすべきはなかったと後悔した。こんな坂をあと2kmもダンシングするなんて、もんた兄弟でもなければムリというものだった。いっそのこと嘘に染まって欲しかった。瞳を閉じて見なかったことにしてしまいたかった。ここでファイナルアンサー?と言われようが、50:50を使おうが、ドロップアウトするしかなかった。暗峠ヒルクライム五分足らずでのリタイア。それが今回の残念な結果だった。
クリートをカチャカチャいわせながら、バイクを押して上る。正確にはカチャカチャとはいわない。つま先立ちのようにして上らなければならない激坂なので、クリートが路面に触れることなどなかった。スニーカーであれば楽楽上られるであろうこの坂も、ビンディングシューズではかなりキツイ。それでも既に観光気分漂う感じで、308号を楽しみながら上っていく。芭蕉の句碑を眺め、観音寺を参拝する。そんなお散歩ペースで暗峠を目指した。
やがて緩やかな道と出会い、漸く峠まで来たか、と思い、そこにある看板を眺めるが、未だ一キロ近くを残していることを確認し、再び心が折れそうになる。
しかし、そこにこの先にあるという"弘法の水"を見付け、気力を奮い立たせた。その弘法の水で喉を潤し憩いのひとときを、と思っていたのだが、水質検査の結果、生水で飲まないでください、ときたもんだ。観音延命の水があるから取り立てて飲む必要は無いのだが、やはり気持ち的には萎える。だが、ここまで来たからには、と、傾斜も緩くなった事だし、と、再びバイクに跨り漕ぎだす。殆どシッティング。僅かに訪れる急坂だけ腰を浮かせ、体重を掛けた。
やがて現れた分岐。綺麗に舗装された道は峠への道ではなく、その横に続く狭い道を上る。そうして訪れた集落。生駒山の鞍部に僅かに拡がる平地に畑を開き、今となってはこの峠越えをする人も、そこで宿を取る人も、殆ど居ないであろうこの様な不便な土地に、今も尚、住み続ける人々が多くいた。
そして再び心の支えとして目指してきた喫茶は休みだった。
上りの時点で薄薄は感じていたのだが、下りがホンマにヤバかった。何度か死ねる。
まずは寒冷死。体を擦り抜けていく風の冷たさたるや、しわしわっと通常の三分の一倍に縮み上がるほど。カツマタではなくサルマタにしとけよ、パイナポにあこがれてる場合じゃないゾってレベル。
そして事故死。この坂をこの速度で下って、突然ケーブルが切れたら死ぬな、絶対に、って胸の奥がキュン、これって恋の予感?じゃなくて、ふぐりの中でギュン、これって縮む股間?ってなるレベル。
それから疲労凍死。多くの枯葉舞い散る中、ホワイトアウトし、リングワンダリングしたあげく、力尽き、倒れる。おおさかキャンパルでツェルトを買わなかった事を後悔するレベル。
流石にそれは言い過ぎだがマジで死ぬかと思った。暗峠に挑むには十年早かった。それでもこれで一応は暗峠に上ったな、とか思ってンの。ホント俺ってダメ人間。誰か剛脚下さい。
2 件のコメント:
いい案がある。
その自転車にエンジンとカウルをつけるんだ、そして
どうした?スネーク!スネエエエェェェェェク!!
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