一泊二日初日
190km
R2-R171-R1-R8-ラーメン藤-R8-R21-r31-r18-r23-道の駅クレール平田
深夜の二十一号線、擦り抜けにも疲れ流れに乗ると、いつしか長距離トラックの波に飲み込まれていった。しかしその流れに乗り走るという行為は、少しも心の平穏をもたらすことはなく、その圧倒的な質量の違いから来る圧迫感によって擦り抜け以上に神経を磨り減らす事になった。
辛抱堪らず、信号待ちで右折レーンより先頭へと抜ける。交差する道に目をやると、何故かそこにはパトカーの姿があった。信号は丁度青へと変わる。スロットルを開け加速する。制限速度で走りながらミラーを確認した。其処には赤色灯を灯しながら追跡してくるPCの姿がそのまま映し出されていた。ここから加速し続ければ振り切る事など容易だった。実際振り切られたとしても向こうも無理をしてまで追跡などしなかったであろう。しかし、それは何とも大人げないのも確かだった。
点数は1点、反則金は一万円もいかないだろう、そう計算する。注意だけで済むのではないか、そういう考えもあった。誘導されるがままにバイクを駐める。そして切符を切られた。
次の書き換えではゴールド免許のハズだった。だがそれも又お預けとなってしまった。
ここから50km程先の無料キャンプ場まで走る予定であったのだが、最早、心は折れてしまっていた。手近な道の駅にテントを張り、コンビニで購入した酒を開ける。
俺は(法的に)正しい行為を選んだ。向こうも正しく業務をこなしただけだ。そこに相手の善意を期待し、それがもたらされなかった事に腹を立てる。そんな自分の心の狭さに一層腹が立った。寝酒とも自棄酒とも付かないそれを一気に飲み干す。
"俺は心が狭いからお前だけで一杯になってしまうんだよ"かつて呟いたそんな睦言を思い出していた。
"私も心が狭いから貴方だけです"彼女はそう返した。
しかし、俺の心は自分で思うより狭かったらしく、彼女の思いは其処から溢れ、零れ落ち、やがて失ってしまった。まだケツの青かった頃の思い出。今では少しはマシになったのだろうか、大切な女一人くらいは抱えられるように。未だにそんな自信は無い。
2 件のコメント:
やはりここは、
「ジョースターさん あんたを尊敬しているが逃げるって案だけは従えないッ! なんのためにここまできたんだ!? 卑怯な手も使おう 地獄に落ちることもしよう だが逃げるってことだけは…しねーぜッ!」
とつぶやいて、ふて寝するしかないでしょう。
"オレは"正しい"と思ったからやったんだ。後悔はない…こんな世界とはいえ、オレは自分の"信じられる道"を歩いていたい!"
とつぶやいて、ふて寝しました。
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