2008年7月11日金曜日

妖怪堂カフェ@川端御池

予算¥500(珈琲(ICE)¥500)

アイカタさんの用事が済むまでの時間潰しにと、以前より立ち寄ってみたいと思っていた"妖怪堂"を訪れた。

"妖怪堂カフェ"
妖怪堂の表札が上がっていなければ見落としてしまうほどに普通の町家そのままの外観。否、たとえ上がっていたとしても、ここを目指してやって来たのでなければ気付くことはなかったかも知れない。

麻暖簾を潜るとヒンヤリとした薄暗い土間が続いている。その奥に広がる坪庭の明るさが目に眩しかった。左手には座敷が広がり、窓からの明かりによって仄明るく照らし出されていた。ここが"漫画喫茶"、と書かれていたスペースなのだろう。
通り庭に作られた棚には妖怪画の書かれた帽子やジーンズが並ぶ。そんなものを眺めながら奥へと進んでいった。店員は何処にいるのだろうと探しながら。坪庭まで辿り引き返す。"二階にお上がり下さい"と貼り紙があった。もしかしたら二階にいるのだろうか?そう思ったから。
靴を脱ぎ、座敷へと上げる。すると簾越しに"いらっしゃい、カフェですか?"と声がかかる。その声に安堵し、"二階へどうぞ"の声に導かれ、梯子ほども急な階段を一段ずつ軋ませながら上がった。
天井が低く剥き出しの梁(二度頭をぶつけた、一階のに、であるが)が通る厨子二階には、京の夏特有の重く湿り気を帯びた熱気が滞っている。照明により薄暗く浮かび上がる光景、化粧材を剥がされ紅を塗られた天井がボンヤリと霞んでいた。そこに虫籠窓からの差し込む光だけが強いコントラストをもたらしている。扇風機のスイッチが入れられ、ヌメヌメとまとわりつく空気が祓われる。アイスコーヒーを頼み、冷たいをお茶を口に含んだ。
注文の品が来るまで部屋を観察させて貰う。妖怪画が描かれた屏風や、妖怪とはあまり関係なさそうなオブジェがポツリポツリと並んでいる。サイトを見たときはもっとポップでキッチュでコミカルな感じの店なのかと思っていたのだが、意外と情緒があって良かった。二百年前の町家をそのまま利用しているというだけ在って、畳は大きく波打ち、漆喰の壁は曾ては白木であったであろう柱も今は古び、黒ずんでいる。妖怪が潜んでいるというオドロオドロしさよりも田舎の古いお寺にでも通されたような居心地の良さである。
座布団に腰を下ろし、積み上げられた雑誌や本を捲る。正直、オカルトモノにはあまり興味がないのだが、古くから伝わる伝承や御伽話などはその背後にある歴史や風俗などが忍ばれていて面白い。戯れに取った雑誌を眺めながらアイスコーヒーを啜る。ガム抜きと注文しなかったそれは甘かった。

薄暗く、狭苦しい空間。適度な暗さと狭さが何とも心地よい。他人と同席していては感じられないのであろうがまだ日も高い所為か最後まで他の客は現れなかった。今回は待ち合わせもあり、慌ただしい滞在となってしまったのだが次回こそはゆっくりと寛ぎたい。

妖怪堂カフェ
住所:京都府京都市左京区孫橋通新麩屋町東入大菊町151-1 喫茶マップ
電話:090-2045-8589
営業時間:15:00~22:00(カフェ)
定休日:不定休
公式サイト
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