2008年7月14日月曜日

CASUAL RESTAURANT PRANDIA@河原町御池

予算¥2,400(ランチブッフェ¥2,400(平日11:30~14:00、Malaysian Fair(7/2~8/15)))

"先斗町でご飯食べよう"そう言われて予め選んでいた店はダメ出しされ、かといって他には適当な店もなく、河原町通までろくな店を見付けることは出来ないでいた。そこに見付けた"マレーシアフェア"の文字。アイカタさんは嬉々として"マレーシア料理ってどんなの?"と聞いてきた。"甘くて、酸っぱくて、辛くて…"と言いながら"バイキングか、"と不満げな表情を浮かべる僕を見ながら、"この近くに他のオススメは?"と詰問する。
二条まで行けばビストロがあった、あとは戻れば鰻はあるのだが、彼女の言う近くとはせいぜい十歩ほどの範囲であろう。"近くというならここより近くはないな"とちょっと皮肉を込めてその店を顎でしゃくる。"じゃあ、ここ"とにこやかにそんなことは気にせず決定されてしまった。

"CASUAL RESTAURANT PRANDIA"
バイキング形式はイヤとはいえ、マレーシア料理にはちょっと興味があった。東南アジア系の料理はわりと好きで、度々自分でも作るから参考になれば、と思ったのも強くは反対しなかった理由のひとつだった。
しかし、その思いもちょっと裏切られた形となってしまう。ローストビーフ風のステーキ、トマトソースのペンネ、エビのドリアなど所謂バイキングの王道とでも言うべき料理が並び、それらしきメニューは五、六品というところであった。取り敢えず少量ずつ十品ほど皿に盛りつけ味見をする。彼女が料理、サラダ、グリーンカレー、デザートなど一通り揃え席に着く頃には、僕はそれらを殆ど平らげていた。

"ナンであんたはそんなに忙しないの?"料理を口に運びながら不満げにそう口にする。"あまり美味しく無いからどれが美味しいかなと思って"という僕の言葉と同時に、彼女の"おいしい"が重なった。
"ナンであんたは私がおいしいと言っているときに美味しくないって言うのよ!"とむくれる。タイミングが悪かった。確かに今のは僕が悪い。
"大体、あんたとは何もかも合わないのよ、食べ物の趣味も合わないし、あんたは山が好きで私は海が好きだし、私は寺なんかナンの興味も無いし"、機嫌を損ねないようにしていたのにとんだところで地雷を踏んでしまっていた。
気を逸らさなければ、と思い、"その牛肉の蒸し煮、ってヤツ美味しいよ"と微笑みながら指差す。怪訝な顔をしながらそれを口にする彼女を見て、次の皿を取りに行った。

エビ蒸し餃子、貝柱のゼリー寄せなどサラダ、デザート以外は一通り味わってみたものの、結局のところ美味しかったのは僅かな品だけだった。一番美味かったのは"牛肉の蒸し煮"Daging Masak Hitam Manisっていうヤツ。これはガッツリとスパイスが効いており、汗が噴き出るほど辛い。あとは"牛肉のスープ"Sup Dagingか。牛肉と書いてはいるのだが入っているのはマトンの骨付きバラ肉。もっともDagingとしか書いていないので"肉のスープ"で合っていると言えば合っているわけだ。(しかし、この訳というか名前の付け方というのはえらく適当で、鶏の串焼きにいたってはayam(鶏)としか書かれていない。材料など見れば分かるワケでせめてsateと書くべきか。例の辛いソースが塗られたモノではなかったのでsateとは言わないのかも知れないが)これを手で摘み、歯で刮ぎ取りながら食べる。獣臭い脂の臭いが何とも食欲を誘う。ただ、レモングラスなどのハーブが入っていたのだが、それらの香りは弱く、スープとしては今ひとつといったトコロ。それとEggplant Green Curryがまあまあ。ただナスの姿は見受けられなかったが。
他のマレーシア系の料理はといえば、魚のフライは色だけは辛そうなのに味はなく、野菜炒め、パッタイなどもフィッシュソースの風味は感じられなかった。そしてナシ・ゴレンが無かったというのが一番残念な点である。

文句ばかり言ってはいるが、タピオカのココナッツミルク煮とコーヒーを二杯と最後まで平らげ、はち切れんばかりの腹を抱えていた。ただ、僕は作り置きの食べ時を外した料理が嫌いなわけで、彼女はバイキングなら何かしら食べたいモノがあるから好きと言うわけで。
"あんたが美味しい、っていうのはわかるけど辛すぎ"と牛肉の蒸し煮だけが彼女の皿に残っていた。何から何まで合わない二人だが、だからこそ飽きもせず、二十年近くも一緒にいるのかも知れない。
"別れても一生付き合いがあるような気がする"そんな彼女の言葉は正しかったのか?指に残った脂の臭いを気にしながらそんなことを考えていた。

CASUAL RESTAURANT "PRANDIA"(カジュアルレストラン"プランディア")
住所:京都府京都市中京区河原町三条上ル京都ロイヤルホテル&スパ内 各国料理マップ
電話:075-223-8973
営業時間:7:00~22:00
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公式サイト

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ナシゴレンてインドネシアじゃなかったっけ?

みっちゃん(偽) さんのコメント...

あそこらへんの料理は殆どごちゃ混ぜに出てくる。

グリーンカレーもパッタイもマレーシアではないし。
マレーシアではミー・ゴレンになるのかも知れないが?