2008年6月7日土曜日

ピザハウス F@阪急六甲

予算¥1,620(イタリアンサラダ¥630、ハンバーグディナー¥990(ハンバーグ、ライス、発泡酒))

マユがピザを食べたい、と言いだした。もうとっぷり夜も更けた時刻だというのに。こんな時間にピザを食わせる店はそう多くはなかった。

"ピザハウス F"
店内は神大生のグループが居り、テーブルを挟んで会話するのも難しいほど騒がしい。ゆっくりと食事と酒を楽しみたかったのだがどうもそういうワケにはいきそうもなかった。

先ずはハンバーグディナーが運ばれてきた。見た目、味共にそれなりではあるのだが、ビールが発泡酒であることにガッカリさせられる。そして最悪なのがイタリアンサラダであった。刻んだ野菜の上に冷凍のシーフードミックスを載せただけという代物。一番美味しかったものはピザディナーに付いてきたデザートピザであろう。
ハンバーグを食べるのならばびっくりドンキーにでも行った方が数倍満足感を得られたというものだ。

ピザハウス F
住所:神戸市灘区宮山町2-4-4 五光マンション1F 洋食マップ
電話:078-821-3994
営業時間:12:00~14:30、17:30~25:00
定休日:無休
cp4 mf3 re4

2008年6月6日金曜日

薩摩富士

ルート:かいもん山麓ふれあい公園-二合目登山口-山頂-二合目登山口-かいもん山麓ふれあい公園

単独行

かいもん山麓ふれあい公園にてキャンプ。
"山頂までどれくらい時間がかかりますか?"管理棟で使用料を支払うついでに尋ねてみた。答えは"三時間半くらい"と返ってきた。
たかだか千メートル足らずの山に三時間以上もかかるのだろうか?と疑問に思いはしたが、酒を喰らい早めの就寝とした。
翌朝、夜明けと共にテントを撤収し、開聞岳登山へと向かった。パターゴルフ場を横切り、二合目登山口に到着すると"上り150分、下り90分"と看板に書かれている。
それくらいなら妥当な線だ。まさか革ジャン、革パン、ライディングブーツという出で立ちで登ると思われたわけではあるまい。

6:25 二合目登山口
先ずは照葉樹の茂る森の中を歩く。早朝といえども流石は南国鹿児島らしく蒸し暑い。
登山道へと張り出した羊歯は朝露に濡れ、そこを通り抜けようとする身体に五月蠅くまとわりついてくる。そのうえ、厚く積もった礫は足を浚い、疲労と不快感ばかりが積み重なっていった。
眺望も景観の変化もなく単調な道をただひたすら登り続けていく。五合目付近で一度木々の切れ間から、指宿方面へと展望が開く。海に張り出した独立峰という変わったロケーション。眼下には鹿児島湾が広がる。しかし、登り始めると再び覆い尽くされ、七合目付近まで眺めは得られなくなった。
そして再びの眺望、長崎鼻へと続く優美な弓状の浜辺が続く。山頂からの眺めはさぞかし素晴らしいものだろう。晴れていれば、の話ではあるが。

この辺りから足下は確かな岩塊となり、足取りも軽くなる。ここから先が仁和元年の噴火で隆起したという部分だ。そして間もなく"仙人洞"が現れた。単調な登山道にあるたった一つのイベントといったところか。傍に設置された看板に依ると
"孝徳天皇の頃、開聞岳北麓の「岩屋」(開聞中学校の南150m)にある観音堂は、山伏たちの修行所として諸国からの出入りが多く、開聞宮の社人たちも山伏となり、ここから修行に出かけていたようです。
この洞窟は、開聞岳が噴火したときに溶岩がせりあがってできたもので、これら山伏たちの修行の場として使われ、「仙人洞」という名前が付けられたといわれます。
今は「千人洞」ともいわれ、開聞岳の登山の途中でここまで使ってきた杖をこの洞窟に投げ入れて、杖に感謝し、これからの登山の安全を祈願する人が多くいます。"
ということだ。その儀式に則り、傍に落ちていた小枝を拾い、投げ込んだ。

前方にストックを突きながら登る老夫婦を見掛けた。お二人はこちらが追いついたのに気付くと道の端に立ち止まり先を譲る。"こんにちは"と挨拶を交わし、追い抜かせてもらう。
九合目辺りの岩壁に掛かる梯子を越え、再び現れた木立を抜けると呆気く山頂へと到達する。

8:10 山頂
山頂は雲に覆われ、期待していた眺望は全くない。暫く晴れ間を待つが、吹き付ける湿り気を帯びた風は容赦なく身体を冷やしていく。身震い一つ残し、山頂を後にした。
梯子を下りそこから幾分か進むと、先ほどの老夫婦と出会った。今度はこちらから道を譲る。"早いですねぇ、もう登ってきたのですか"と声をかけられ、"はい、でも残念ながら眺望はないですよ"と返した。

再び単調な道を下っていく。緩い下りと気を抜いていると、ガレ場で足を滑らし手を着く。そこで下山でこそ杖が必要だというのに仙人洞で投げ入れてしまっては駄目なのではないか?と気付く。もっとも最初から杖など持って登ってなどいないのだが。

9:30 二合目登山口
登山口を抜け、左へと続く道へと折れる。こっちからもふれあい公園へ行けるだろうと予想してのルート取りだ。案の定、スキー場を抜けキャンプ地へと辿り着く。始めからこちらを通っていればゴルフ場で藪漕ぎなどしないで済んでいた。
後は枚聞神社へと安全祈願のお礼参りを残すだけだった。

開聞岳
標高922m
鹿児島
日本百名山
高低差820m
所在地:鹿児島県指宿市 山岳マップ
神社仏閣:枚聞神社
距離:上り 3.5km、下り 3.5km
所要時間:登り1:45、下り1:20

枚聞神社(ひらききじんじゃ)
鎮座地:鹿児島県指宿市開聞十町 神社マップ
祭神:大日孁貴命(おおひるめむち)
旧社格:国幣小社
神階:従四位上
神紋:四割菊
薩摩国一宮

2008年6月5日木曜日

味処 あらし@鳴門

予算¥1,300(特選刺身定食(鯛、ハマチ、平目)¥1,300)

行きしには定休日で食べ損ねてしまっていた"あらし"に立ち寄った。
ここ"あらし"はあの有名な"びんび屋"の息子さんが独立してやってはるお店である。雰囲気も含めて味わうとなれば"びんび屋"の方が良いのかも知れないが、こちらはアクセスの良さや、時間を外せば並ばずに入れるというのも魅力的だ。

"味処 あらし"
まだ新しく小綺麗な店内には静かにジャズが流れてた。その巨大な生け簀や、明るすぎる照明など魚を美味しく食べさせる店といった情緒としてはどうかな?とも思わせる造りではあるが、出てくるものは絶品である。
しっかりと厚く切られた刺身は適度な歯応えがあり、噛み締める度に魚の旨味拡がる。ちょっと他では味わえないほどの美味さは感動的ですらある。しかし、"びんび屋"と同じく名物である鳴門産ワカメの味噌汁は辛すぎであった。ワカメは歯応え、風味共に良く美味しいのだが何故こんなに濃い味付けなのだろうか?徳島ラーメンも含めて濃くするのが徳島風なのであろうか?
とはいえ、この刺身を味わうためなら鳴門海峡大橋を渡るだけの価値は十分にあるのかも知れない。

味処 あらし
住所:徳島県鳴門市撫養町大桑島北の浜51-1 海鮮マップ
電話:088-686-0005
営業時間:11:00~21:00
定休日:水曜(祝日の場合営業)
cp8 mf8 re8

2008年6月2日月曜日

jazz & cafe JamJam@元町

予算¥500(ブレンドコーヒー¥500)

再度山を巡っているとメールの着信音が鳴った。こんな山間で珍しいな、と確認する。ユキからだった。
"今日は山かな?今からジャムに行こうかと"
正解だ。もっとも山か寺かツーリングと言っておけば大体は当たる訳だが。

"jazz & cafe JamJam"
先に入っているという彼女を追いかけ、階段を下りる。扉を開けると少しカビ臭いひんやりと湿った空気が流れ出してきた。薄暗い店内を見渡すと入り口横のいつものソファーにその姿を見つけた。その横に身を沈め、ブレンドを頼んだ。

"はい、お土産。ヨリちゃんと金沢に行ってきた"
いつも通りのぶっきらぼうな言い方。だが、別れて未だ半年という微妙な緊張感からか、その声は揺らぎ以前ほど棘はない。更にもう一つ包みを出す。

"これもあげる、高かったんだからね"
相も変わらず一言余計だ。ありがとうと苦笑いしつつ、カバンにしまった。
レコードは何処かで耳にした事のあるスウィングからフュージョンぽい曲調のものへと変わっていた。

彼女はジャズが好きな訳ではなく、"ジャズを聴いている私が好き"と言って憚らない。私とて真摯に向き合うわけではなく、ラジオから流れる曲をただ聞き流すように楽しんでいるに過ぎない。ただ、流行歌よりもジャズの方が心地よいというだけだ。
レコードの片面を四枚分楽しみ、店を後にする。

"前に連れて行ってくれたあの店教えてよ"と言われ、口頭で説明する。
"わからへん、連れてって、覚えるから"
やれやれ、どうせまた覚える気など無いのだろう。また行きたくなったときは呼び出されるに決まっている。いつだってそうだった。

jazz & cafe JamJam
住所:神戸市中央区元町1-7-2ニューもとビル地下1F 喫茶マップ
電話:078-331-0876
営業時間:12:00~23:00
定休日:不定休
公式サイト
cp7 mf7 re7

2008年6月1日日曜日

かみなり

リスペクト自生山那谷寺霊と共に霊峰月山三度目の立ちゴケワインディングロード続・ワインディングロード続続・ワインディングロード交通規制@富士山スカイライン三十年来の悲願@富士山温泉?@まぶ湯ぼくの帽子

10泊11日
十一日目415km total 2,891km

土キャンプ適地-r196-r75-R52-R1-R152-R257-田峯観音-R420-r365-r33-r484-シルクロード-R153-r39-R248-R1-R23-R258-R421-石榑峠-R421-R8-竜王かがみの里-R8-R1-r35-r36-r7-r15-来来亭-r15-R170-R171-R2

"今日は保ちそうですよ"そんなマスターの台詞をボーっと聞いていた。
"モツ?ナニが?"俺には何を言っているのか全く理解できていなかった。
"明日は雨になるようですよ"マスターは繰り返す。
" 雨?"聞き返す。
雨が降るなんて思いも依らなかった。今日はそんな雲ひとつ無い良い天気であった。

山間を縫うワインディング、空は高く抜け、吹き抜ける風は山特有の匂いと静けさを運んでくる。そこには見通しの良い高速コーナーの連続しか存在しなかった。気持ちが昂ぶる。ついついオーバーペースになりラインがはらんだ。
"おっと、危ない"、フロントを軽く当て逆ハンを切る。更に深く寝かせ、よりタイトなラインへと強引に換えていった。ステップが軽くはじかれる。右足に路面の感触が伝わった。
(RC)30なら突っ込んでいるところだった。FSの扱い安さは異常、適当に走っていても何とかなってしまう。初めこそ、そのオーバーステア気味に切れ込むハンドリングが嫌いだった。サスもプアで路面を追従しない。スロットルを戻すだけでリアがロックする。雑にスロットルを開けるとフロントが暴れる。そして全然効かないブレーキ。なんて乗りにくいバイクなんだろう、最初はそう思っていた。
ステダンを入れ、キャリパーとサススプリングを交換しないと怖いな、とその時は考えていた。それから数万キロ一緒に旅を続けている。最早これも扱いも慣れたものだ。センター乗りのリーンウィズ。早めのブレーキングからスパッと寝かせてアクセルオン。その倒し込みはツインらしく軽く速い。後ろから見ると転けよった、と思うそうだ。バンクが決まれば後は暴れるフロントを押さえ込む(段減りしているだけだが)。突っ込みよりも立ち上がりの鋭さを楽しむ。大型のクセに上りよりも下りの方が速いという変わった乗り味。上りでは加速と共にフロント加重が抜けて曲がらないからだ。今ではそんなクセ、全てが楽しめるようになっている。
レースではないからこれで十分。結局はもっと効きの良いブレーキパッドに交換しただけに留まっている。

三重県に差し掛かる頃には、頭上に懸かる黒々とした雨雲が鈴鹿山脈まで大きくその手を広げようとしていた。何処からか雷鳴が轟く。雨粒がポツリポツリとシールドに跡を刻み込む。多度神社に向かおうと思っていたのだが残念ながら早めに峠を越えた方が良さそうだった。

峠へと向かう道、何台かの車をパスしながら雨雲に追いつかれないように先を急いだ。そしていよいよ現れる傷だらけの二つの巨大なコンクリート塊。話には聞いた事のある"2t車以上通行止"を強制的に施行する重圧物。その隙間はわずか2mしかない。この間を通るからにはこの先でどの様な目に遭うか覚悟は出来ているのであろうな、そんな事を無言で伝える威圧感がある。
始めはやや広いコンクリート舗装が続く。営業用の白いバン、ガンメタのセダンを追い越し、いよいよ極狭路へと差し掛かった。完全一車線、否、0.8車線程であろうか。こんな処で車と出会ってしまっては最悪だ。バイクであっても擦れ違う事など出来ない。スピード落としての数分間、間もなく同じくコンクリート塊二つのゴールを抜けた。抜けると同時に車と擦れ違う。正に今上ってきたばかりの道を下っていった。
どっと疲れと安堵感が押し寄せる。コンクリート舗装、ブラインドカーブ、極狭路、僅か数百メートルの距離が数百キロ以上の疲労をもたらしていた。
峠を越え、やっと空へと視線を送る余裕が出来る。見上げると、頭上には薄く雲が拡がるだけ。何とか雨雲も撒いたようだった。とはいえあまりノンビリとしている余裕もない。急いで山を下っていく。

滋賀へ下れば大丈夫だろうという考えは甘かった。峠を下りへ始めて直ぐに又雨の洗礼を受ける。雨脚が激しくなる度に木立の茂みを探し立ち止まる。そんな調子で何度かの雨宿りを繰り返す。永源寺に降りてくる頃には漸く空も明るさを取り戻してきていた。夕焼けに雲はほんのりと色付き始め、夕立ももうそろそろ収まったであろうと再び家路を急ぐ。遙か北に目を遣ると未だに黒々とした雷雲が拡がり、どこからともなく雷鳴が響いてきた。しかし、あれほど激しく降った雨もここの路面を濡らしてはいない。かなり局地的なスコールが所々で繰り返されてたのだろうか。そして雨雲に偶々出会う度に通り過ぎるのをただじっと待つ。そんな事に時は無為に消費されていく。進む時間よりも留まる事に費やす時間の方が遙かに長かった。
雨上がりの中、車の流れに乗り、そのまま西へと向かう。まぁ、今からでも太郎坊宮くらいなら寄っていけるかな、と甘い考えが浮かんでいた。やがて、そんな思いを打ち消すように黒々とざわめき立つ路面が現れる。そこから先の景色がボンヤリと霞む。スコールのカーテンだった。思わずUターンをしようか、という衝動に駆られるが、反対車線に途切れはない。そしてそのままその中へと突っ込んでしまった。激しくシールドを打ちつける雨粒。堪らず道路脇にある廃屋の軒下へと滑り込んだ。

車の流をただ眺めながら空を見つめる。普段は車で動きたいなど思いやしないのだが、この時ばかりは羨ましく思う。バイクでも合羽を着れば良いのではないか、と思うのが普通であろうが、残念ながらそれはターポリンの奥深くに眠っている。雨など降るとは微塵にも思ってはいなかったからだ。今更この雨の中荷物を下ろし、バックを引っ繰り返してまでそれを着ようとは思いもしなかった。
半時ほど時間を潰す。既に日も暮れ、道行く車はヘッドライトを灯し始めていた。未だ雨は降り止まない。だが、いつまでもここに留まるわけにも行かなかった。少しは小降りになった頃合いを見計らい、安楽の地を飛び出す。雨はマシになっているとはいえ、状況は更に悪化していた。対向車のライトがシールドを濡らす水滴に乱反射し、視界は無いに等しかった。前を行く車のテールランプを見失っては道筋を辿ることすら危うい。今となってはその赤い道標を機械的にトレースすることしか出来なかった。

(国道)八号線に合流すると雨脚はより一層激しさを増していった。その一粒一粒が身を凍えさせ、心を疲れさせていく。まだ夏も盛りだというのに真冬のように凍えていた。
前方の雲間に青白い閃光が走る。一、二、三と数を数えて距離を測る。さほど近くは無いようだ。山科辺りといったところか。雷雲が立ち去るのを待つのが得策だろう、そう思い道の駅で休息を取ることにした。

濡れた身体をタオルで拭い、僅かでも暖を取るためにホットコーヒーを啜る。震える手から、伝う喉元から温もりが拡がっていく。見上げれば暗黒の夜空には幾筋ものかみなりが渡り歩く。その全てがこれから向かう先から轟いているかと思うとより一層疲労感は増していった。

雷を遠目に迂回しながらジワリジワリと目的地へと近づいていく。その夜見た雷光の数は百を遙かに超え、100㎞にも満たない距離は八時間以上もの時間を費やさせた。そして長い旅は漸く終わりを告げた。


田峰観音(谷高山高勝寺)(ダミネカンノン(ヤタカサンコウショウジ))
所在地:愛知県北設楽郡設楽町田峰鍛治沢14 仏閣マップ
電話:0536-64-5028
本尊:十一面観世音菩薩
宗派:曹洞宗
創建:1470
札所:奥三河七観音4番
三河三観音