2010年5月11日火曜日

妙法山阿弥陀寺

尾鷲 - 86.4km - 熊野那智大社 - 58.3km - 潮岬

走行距離 146.7km
最大高低差824m

熊野那智大社に向かう途中、膝に鈍い痛みを感じたので少し休むことにした。
熊野古道大門坂に自転車を駐め、そこからは歩いて登る。熊野那智大社、青岸渡寺と参拝した後、もう少し膝を休ませておこうと妙法山阿弥陀寺まで登ることにした。熊野那智大社、青岸渡寺の賑わい、それと阿弥陀寺へと向かう古道の静寂さは対照的だった。その人気のない苔むした石段をゆっくりと踏みしめながら上っていく。道端の丁を刻んだ石碑を数えながら残りの道程を想う。結構登った様な気がしても、まだ1/3程度と分かるとゾッとした。高度を重ねる毎に涼しさを増していく檜を揺する風の囁きだけがせめてもの救いだった。
石段に腰を下ろす。風が抜けていく。たちまち汗が引いていった。しかし、そんな休息の時間も長く取ることは出来やしない。すぐさま追い立てるように警戒蜂がやってくるからだ。それも一度や二度の話ではない。一息つこうとする度にそれはやってきたのだ。さすがは修験の山。ここでは少しの甘えも許されないらしい。ただひたすらに足を進め、精進せねばならなかった。
十幾丁数えただろうか、二筋に道が分かれている。緩い登りの道、1.3km。激しく下る階段、0.9km。当然ながら短い道を選ぶのだが、下るということは帰り道登るということ。その、面倒くさいなぁ、あまり下らんといてや、というボクの思いとは裏腹に下へ下へと向かって続いているのだった。

そしてようやく辿り着いた阿弥陀寺。そんな心の内を見透かされたかのような御詠歌。

"熊野路を ものうき旅と 思うなよ 死出の山路で 思いしらせん"

帰り道。
道先に何やら放物線を描く一筋の煌めきが見えた。それは、先程通り過ぎたときには存在していないものだった。それは、斜面を伝って這う輸水管の一部から漏れ出した飛沫であった。
その場所へと近付くにつれ、ある事実に気づいてしまった。あまりのことにさむいぼがたった。気温が数度下がった気がした。その飛沫が飛び散り、道を濡らし続けているその場所は、行きしにボクがにょうをにょーとした処に他ならなかったからだ。まるで、その汚れを洗い流しているかのようだった。全てを見られていたかのような気がした。
しばし呆然とそれを見詰めていた。これがお前のしたことだ、と見せつけるかのように、ボクが描いた放物線を模してそれはなぞっているかのようだった。時折、シュゴっと音を立て、吹き出しを止める。そして、一呼吸おくと、再び行きよいよく地面を叩き付けるのであった。
申し訳ありませんでした。思わず手を合わせていた。懺悔にも似た想いを胸に、足を踏み出す。再びシュゴっと音を立て、水は止んだ。次の瞬間、パンっと軽い音を立て、それは爆発したのだった。

まぁさすがに爆発したのは嘘だけど、水が噴き出していたのはガチで本当。
でも20分足らずの間にパイプが裂けていたって事だけは本当に本当。
ただそのすぐ傍で尿をしていたってことはマジで本当。
ボクがビビリまっくったってことも本当。
ボクは熊野権現を信仰しております。イヤマジでホント。

------------- 晩酌 -------------
黒牛 純米酒 180ml ¥忘れた
プレミアムモルツ¥225
鯖寿司 ¥580の半額
熊野産生本マグロ 中トロ ¥764の半額 マグロ食べ飽きました。

------------- 回想、もしくは教訓 -------------
時計回り最大の難所、尾鷲大泊間。傾斜こそ緩いのですが、ひたすら800m上り続けなければなりません。景色も単調なのでめげます。R311の方が遠回りですけど良いのかも?
膝を痛めた場合、早期の治療が大切です。フェルビナク、偉大です。これなくして、紀伊半島一周は無理だったと思います。
芝生のサイトでは、ヤブ蚊対策が重要。またしても忘れていました。

------------- 追加装備 -------------
AIR SALONPAS DX、100均銀シート

------------- 朱印 -------------
要望があればUPします。

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