予算¥2,200(かわ¥280、五味焼(四串)¥260、せんざんき¥380、れんこん¥420、手羽先¥300、烏龍茶¥280x2)
今治市は人口当たりの焼鳥屋数が日本一という鶏好きとしてはこれまた外せない町である。そしてこの町では鉄板の上でプレスして焼き上げるという一風変わった焼鳥を出す。このスタイルは焼きに加え、蒸す、揚げるの要素が加わり、早くて美味いという事だ。
"元祖鉄板焼 五味鳥"
扉を開けると、狭い間口から奥へと細長く続くウナギの寝床といった造りの空間が拡がる。長年の脂と煙で燻され続けた薄汚れた壁は如何にも美味いモノを食べさせてくれそうな雰囲気を醸し出していた。
メニューを見てちょっと違和感を覚えた。鉄板焼鳥というのは小さく刻んだ鳥をそのまま焼くのだとばかり思っていたのだが、そのような焼き方をするのは"かわ"だけで他は串に刺して焼く"串焼"というモノだった。取り敢えずはその"かわ"と店名を冠している"五味焼"、そしてこれも外せない"せんざんき"を頼んだ。
先ずは"かわ"と"五味焼"がキャベツを添えて運ばれる。上からは同じとろみのある茶色いタレがかけられていた。"かわ"は"かわ"と名が付いてはいるが見た目は"ネック"である。一つ摘んで食べてみる。食感、味共に"ネック"である。どこからどこまでも"ネック"である。"かわ"というのは部位を差すのではなく、ただ単に料理名なだけなのであろうか?そんな不思議な気持ちにさせられる。かわよりネックが好きなのでその方が嬉しいのだが。
次に"五味焼"を頂く。名前からはどのようなモノか分からなかったが、ネギと牛や豚などの内臓肉を串に刺して焼き上げたモノであった。"五味"というのは五つの味ではなく、大阪でいう"ホルモン"、"捨てるもん"と同じ意味合いで"ゴミ"を意味しているのであろうか?中々面白い名付け方である。
どちらも安くて量が多く美味いのだが、この上からかかっているタレだけはどうも苦手であった。照り焼きソースよりも更に甘く、みたらしの様である。このタレも長年受け継がれた秘伝らしいが好みに合わない。
これらを食べ終える頃に丁度"せんざんき"が出てくる。常連さん以外には無愛想な感じなのだが、客の食べる具合に併せて出すタイミングを合わせているような節がある。その辺の気配りが余所者にも居心地の悪さを感じさせない点かも知れない。
"せんざんき"まで甘ったるい味であったなら店を出ようと思っていたのだが、これはかなり美味かった。しっかりと醤油や味醂で下味がされた旨味の拡がる肉が、カリカリの香ばしい衣に包まれている。ビールを飲めない事が非常に残念だ。仕方なしに代用品として烏龍茶を追加する。それと共にお薦めとなっている"れんこん"、と"手羽先"も注文した。"れんこん"は隣の人のを見てタレがかかっていない事は確認済みだし、"手羽先"の脂っこさにはあのタレは合わないだろうと予想しての事だ。
"手羽先は時間かかりますよ"と言われたが先を急ぐ旅でもない、ノンビリと待つ事にした。
"れんこん"とはレンコンのミンチ詰めで、あの小さな穴に鶏ミンチを詰めて厚さ1cmくらいにスライスし焼かれた物である。このレンコンのシャキシャキした食感とモチモチとした風味豊かなミンチが合わさると中々楽しい味だ。ポン酢のサッパリとした風味も良い。
そうこうしているうちに手羽先が焼き上がる。串で衝いて穴を空け、上から強くプレスする。そうやって焼き上げられた手羽は穴から脂が抜け、揚げ焼きしたような香ばしさが味わえる。これもビールが欲しくなる味であった。
これだけの量はちょっと食べすぎであった。ビールに"せんざんき"と"れんこん"か"かわ"くらいで丁度良い量かも知れない。
やすい、はやい、うまい、を地でいく鉄板焼鳥ではあるがあのタレだけは疑問である。塩にレモン汁のほうが遥かに美味いと思うのだが。
次回は"世渡"や"鳥林"で味の違いを試してみたい。もちろんこの地で一泊してビールとともに、である。
元祖鉄板焼 五味鳥(ごみどり)
住所:愛媛県今治市旭町1-5-20 焼鳥マップ
電話:0898-32-3753
営業時間:17:00~23:00
定休日:日曜
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1 件のコメント:
店主が腱鞘炎だとかで、一年前くらいから店を休んでいるそうです。
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