2010年9月23日木曜日
ドンデン山ヒルクライム(梅津ルート)
距離:12.9km(上り:11.7km 下り:250m)
最大標高差:848m
平均斜度
上り:7.2%
下り:1.6%
Time:retire(2h 06min休憩、歩行含)
早朝。81号線へと曲がる交差点の手前。そこに掲げられた電光掲示板は、ドンデン山山頂より入川方面の全面通行止を告げていた。
今日の予定では梅津からドンデン山を越えて入川に入り、海岸線を辿って小木港まで走るつもりだったのだが、いきなりのつまずきだった。
81号線へ入り坂を登っていく。梅津の集落はちょっとした高台になっており、そこを抜けて下ると、のどかな田園風景が拡がっていた。
川沿いに続く道。その先には大佐渡山脈が悠然と横たわっている。あの辺りがドンデン山だろうか?あんなとこまで登らなければならないのか?そんなこと考えただけで気が滅入ってくる。大体、ヒルクライムなんてシンドイもんは、そんなことを真剣に考えながらやってはダメだ。あと何百mだから何分くらい登らなければならない、なんて考えながらやっていたら、根性無しのボクなんかは、やっぱやめとこ、なんてすぐに諦めてしまう。何も考えずに鼻歌を歌うくらいの軽い気持ちでないとやってらんない。実際、ひたすら山を登り続けているときには、なにかしらの歌のフレーズが延延と頭の中で繰り返されている。それは山下達郎の"ヘロン"だったり、COMPLEXの"恋をとめないで"だったりで、何でその歌が突然浮かんできたりするのかは謎でしかないのだが、一度それが浮かんでくると思考はそこで停止される。無我の境地に近づいているとでも云うのだろうか。修験僧が苦行を積んで悟りを開こうとするのに近しいものがあるのかも知れない。ちなみにこの時は、アルプスの少女ハイジの"おしえて"だった。
山腹に点在する採石所を越えると、山道は急激に幅を狭め、それと同時に10%を越えるほどの急坂となった。距離こそ短いのだが、心を折るには十分な長さだった。なにより2リッター入りのお茶が、ボクの脆い腰を破壊していった。
坂を登り切るとそこはアオネバ渓谷の登山口であった。MTBを降り、お茶を浴びるように飲んで重量を減らす。先に続く道は緩く、そこからは少しは楽になりそうな様相を呈していた。流れ落ちる汗を拭い、折れた心を繋ぎ、"おしえて"を歌いながら、再びバイクに跨った。
そこからの道は先程までに急な坂はない。標高410m、570m辺りにあるフラット区間で足を休ませながら順調に上り続けていった。
遠く望む金北山こそ真っ黒な雨雲に覆われてはいたが、日本海と加茂湖に挟まれ、細く拡がる両津の街の美しさが気持ちを癒していった。
このままなら、最後まで行けそうだな、なんて淡い期待はあっけなく裏切られることとなった。山頂が近づくに連れ、舗装はアスファルトから亀甲印のコンクリートへと変わっていったのだった。このコンクリート舗装がクセもんだった。それはダートを漕いで登るほどに脚を消耗させていった。そして、牧草地へと向かうヘアピンを越えて迎えた10%程の勾配。もはや、ダンシングをするだけの気力も脚も残ってはいなかった。
もう、止めても良いよな、ひとりごちる。もう、限界だった。クリートを外し右足を伸ばす。爪先が路面に触れる。しかし、膝には力が入らず、そのままバイクを抱え込みながら倒れてしまっていた。
ヒルクライムをするなら、入川ルートの方が遥かに楽である。距離が長い分、勾配も一定に緩く、山頂までコンクリート舗装もない。沢沿いを伝う道は涼しく、体力の消耗も少ないだろう。ただ、牛糞が有り得ないくらいに撒き散らされているので踏まないように注意しなければならない。あと、土砂崩れのため、2010年8月現在、全面通行止である。
------------- おもいがき -------------
フェリーではバイクを輪行袋に入れると手荷物になるので片道1,000円くらい安くなります。
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