予算¥550(タンメン ¥550)
平塚にはちょっと変わったタンメンを出す店がある。というか、これがこの街のソウルフードらしい。
その平塚といえば、20年以上前にそこに住む友人を訪ねて行ったなぁ、などと思って改札を潜ると、思い出とは、はなはだかけ離れた街が拡がっていた。
"あぁ、そうか、ツレの住む町は藤沢だったんだ"と、その時初めて思い出す。人の記憶など、どうにもこうにもいい加減なものでしかないようだ。
【老郷 宝町店】
券売機には、タンメン1人前、2人前、3人前、ミソラーメン1人前、2人前、3人前、ギョーザ1人前、2人前、3人前、と、ただそれだけの潔いメニューが並んでいた。
回転寿司居抜そのままの動かぬベルトコンベアを前にカウンターに着く。そして、かつては粉茶を入れるための熱湯が出たであろう蛇口からお冷を入れた。
そうして、運ばれてくる一杯。
具はワカメ、シナチク、刻み玉ネギと至ってシンプル。そこに駅そばのように白く、柔らかく、味も素っ気もない中太ストレート麺が沈んでいた。
「ドコがタンメンやねん!?」とツッコミガ入りそうな構成だった。
だ、だが、たしかに、これは、"タンメン"と名乗ってはいても、いわゆる野菜てんこ盛り塩ラーメンの"タンメン"ではなく、"湯麺"と書く"タンメン"のことなのである。
言うなれば、"すラーメン"とでも云った立ち位置の存在だ。もっとも、それは"すラーメン"と云うだけあって、"酢ラーメン"なわけであるのだが。
さらし玉ネギが、スープの熱で程よく透き通ったころが食べごろ、というか、食べているうちに勝手になるのだが、その程よい甘みとシャキシャキ感。それに絡まる程よい酸味のスープ。これに加えるゴマが香ばしいラー油。これがこのタンメンのメインである。
そこに浸るブヨブヨの麺などあくまでもオマケにしか過ぎない。
玉ネギと酢スープ。それだけで満足な奇特な存在。
ただし、年中妊娠しているようなスラー以外にはお勧めしない。
老郷 宝町店
住所:神奈川県平塚市宝町2-2
電話:0463-23-1731
営業時間:11:30~21:00
定休日:月曜(祭日の場合翌日)他に月一回火曜休
cp6 mf7 re5
0 件のコメント:
コメントを投稿