2009年2月28日土曜日

キッチン あるるかん@もちいどの

予算¥990(焼肉定食¥990(サラダ、ライス付))

"奈良にうまいもんなし"
と誰が言い出したのかは知らないが、正鵠を射るというか、言い得て妙というか、正にその通りである。

奈良の友人達は皆、その言葉を度度口にし、あたかもそれが枕詞であるかのように土産の酒を差し出す。
では、お前はどう思っているのだ、と聞かれれば、確かに奈良で美味いモノを食べた記憶はさほどないな、と思いながらも、過去の記憶に思いを巡らせて答えてみる。例しにパッと思いつくのを上げてみれば、学生の頃にカノジョさんに連れて行ってもらった、良く言えば寂がある、悪く言えば古びた田舎の食堂で食べた、柿の葉寿司と三輪そうめんに柿で作られた和菓子を添えた定食くらいなものである。とはいえそれも、色惚け補正と過去の思い出の美化、といったことが加味されているとして考えてみると、今となっては、さほどのものでも無かったような気もしないでもない。(葛城のタイ飯屋は好き)

そうはいっても、奈良に来て何も食べたくないというわけではなく、京都なら懐石、富山なら鮨、広島ならお好み焼き、といった様な積極的に食べたいものが無いということに過ぎないわけで、消極的にというか、消去法で選んでいくと、洋食やカレー辺りが無難な選択か、となるわけで、店を覗きながら良さげな店を探しながら、そぞろ歩いたわけだ。
地元民とおぼしき人人に人気のある店、といった観点で探し求めたわけだが、道行く人は見るからに観光客然としたラブラブなカップルに、地図片手にたむろするおばちゃんの集団ばかりだった。平日の昼の最中、もちいどの や ならまち にいるのだから当然だろ、とツッコミが入りそうだが、これからの予定を考えると、この辺りで探す他なかったのだから仕方がない。
結局入ったのは"あるるかん"という一軒の洋食屋。ここに決めたのは、この界隈にある洋食、もしくはカレー屋において、唯一客の入っていた店、という極めて消極的にして、消去法な結果でしかなかった。

"キッチン あるるかん"
扉の向こうには、間口から想像するよりも遥かに空間が拡がっていた。遥かにというのはちょっと大袈裟かもしれないが、それでも意外と広いなぁ、と思うくらいの広さはある。ひとり客やカップルを当て込んでのものだろうか、壁に向かってカウンターが据え付けられ、その後ろには、団体客用にと思わしきテーブルが幾つも並んでいた。
奥に陣取るおばちゃん方から距離を置き、入り口近いカウンターへと腰を下ろす。テーブル席から聞こえてくる会話からすると、お店の人と知り合いのようなので、地元民とおぼしき人人に人気のある店を探す、といった点に於いては、その目的を見事に果たしたのではないだろうか、と思ってみたりもしたわけだ。

ボイルされたキャベツにベイクドされた茄子、そしてポテトサラダを添えた"牛ロース使用"とワザワザ書かれた焼肉の載せられた皿が運ばれてきて、ようやく箸と共にナイフとフォークが出された理由が理解できた。それは焼肉と表すにはあまりにも分厚く、大きく、むしろステーキと表現した方が相応しいのでは?という品で、ナイフとフォークなしではさぞかし食べ難かった事であろう。
和風醤油ソースにミディアムの焼加減、ボリュームも中中にある。肉質についてとやかく言うのはそれこそ野暮というもの。ステーキを食べた、という満足感を味わえ、ヒデさんでお釣りがくるというのは素晴らしいではないか。

キッチン あるるかん
住所:奈良県奈良市餅飯殿町31-2 肉料理マップ
電話:074-224-1344
営業時間:11:00~14:30 17:00~20:30(平日) 11:00~20:30(日祝)
定休日:木曜
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