予算¥680(キリンラガー大瓶、イカ下足天)
今にも雨が落ちてきそうな蒸し暑さだが、軽く一杯引っ掛けて帰ることにした。
"みかさ商店"
缶詰や魚肉ソーセージが乱雑に並べられた棚を抜け、巨大な冷蔵庫より瓶ビール取り出すと裏へと回る。
冷蔵庫に隠れた空間、そこにはコの字型に作られたカウンターがあり、常連さんがひとり、折りたたみの高椅子に腰を据えていた。
冷蔵庫の影から現れたこちらの姿を認めると、カウンターの中の店主から"ごめんなさいね"と声が掛かる。そして彼はレジへと向かい、ビニール袋を取り出した。
僕は、"いえ、飲んでいきます"と返事をし、栓を抜いて貰う。それとカウンターの大皿に盛られたゲソ天をアテとして頼んだ。
小振りなゲソ天が四つに刻んだキャベツを添えた皿と共に、ウスターソースを入れた小皿が出される。それと良ければ、とチューブに入ったマヨネーズもカウンターに置かれた。
冷めたゲソ天にソースを付けながら、立ち呑み屋としてはやたらと主張しているテレビに映し出された宮古島のあおい空を眺める。彼もこちらに背を向け、その宮古島のあおい海を一緒に眺めている。何となくツレの家でダラダラと過ごしているような、そんな楽しいわけでもなく、居心地が悪いわけでもなく、ただ、そこにいる自分が当たり前のようにそこに存在する、そんな不思議な空気が流れている。
ふっと、遠くで雷鳴が響いたような気がした。ちょっとだけ現実に戻される。そろそろ家に帰らなければ、そう思い、瓶の底に残ったビールの滴をグラスに移すと舐め取るように空にした。
みかさ商店
住所:神戸市東灘区御影町郡家字大蔵21-3 立ち呑みマップ
電話:078-811-0739
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