2010年7月26日月曜日

潮音山向上寺

こざくら保育園より南にある参拝客用駐車場にMTBを駐め、墓地横の階段を上り潮音山公園へと入る。
幾多の参道、遊歩道が交差するが、要所要所に案内板があるため迷うことはない。この公園、山頂付近まで登ると、三重塔が姿を現す。和様唐様折衷の造りで、昭和57年に施した彩色は褪せることなく美しいままである。
この地は南西に向かって開けた高台となっており、眼下に拡がる高根島への眺望が心和ませる。ここから南へ石段を下りたところに仮本堂と庫裏が在る。

国宝 向上寺三重塔
曹洞宗向上寺は、臨済宗大本山仏通寺開山、仏徳大通禅師の開基によるもので応永10年(1403年)に生口島地頭、惟平の頃に向上寺の前身向上庵が建てられ応永21年(1414年)ごろには、仏通寺の末寺として独立しました。
三重塔は、藤原朝臣の作で、大檀越、生口守平、檀那信元、信昌として永享4年(1432年)正月から六月にかけて完成し、十月にその供養を行ないました。
塔の構造は、方三間、三重の塔婆本瓦葺で、九輪先端までの高さは、19メートル52センチを計り、全体に和様を基調としていますが、初重を扇たる木、花頭窓にするなど細部にかなり濃厚な唐様の手法がとり入れられています。ひじ木鼻や、すみ木持送りの彫刻なども巧みにつくられ、四隅の親柱の飾り付けは、逆蓮華で珍らしくわら座、須弥檀も意匠として特異なものです。
昭和38年に解体修理を行ないましたが、用材の大部分は建立当初のもので禅宗寺院の塔として、建築史上、貴重なものです。
大正2年に、国宝指定を受けましたが昭和26年法律改正により、一旦、重文指定になり、昭和33年2月8日付で、新たに国宝に指定されました。

潮音山向上寺(ちょうおんざん こうじょうじ)
所在地:広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田57 仏閣マップ
電話:08452-7-3377
宗派:曹洞宗
本尊:聖観世音菩薩
開山:大通禅師
開基:生口守平公
創建:応永7年(1400年)
札所:中国三十三観音11番
御詠歌:せとうちの しおのながれに たどりつき おじひをといて みなをすくわん
国宝拝観料:100円以上
朱印:300円
拝観時間:8:00~17:00

【国宝】
三重塔:(S33.02.08指定)、三間三重塔婆、本瓦葺、室町中期(永享4)
向上寺は尾道より船で一時間半程の海上にある生口島にあり、三重塔は永享4年(1432)の建立である。禅宗寺院の塔婆として貴重な遺構であるとともに、唐様の手法が濃厚で、細部も特色ある意匠がみられる。建立年代が明らかであり、部材がほとんど当初材のみと思われることもめづらしい。
公式サイト

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