予算¥3,180(会津坂下産馬刺¥800、福島県郷土料理 イカ人参¥380、お通し(ひじき)、アサヒスーパードライ中瓶¥550、穏(おだやか)吟醸¥580、燗誂え 純米¥580)
寝る前に一杯引っ掛けておきたいな、なんて”大豊”へと向かったのだが予想通りの満席。それじゃあ何処にしようか?と代わりを探しに駅前を彷徨くが、コレ、といった店などそう易易と見つかるはずもなかった。
何度、同じ道を辿っただろうか。何度、キャッチに呼び止められただろうか。それは20年前の新宿歌舞伎町のそれといった類の不快感ではないにしても、幾度となく彼らの前を通り過ぎるボクの姿は彼らにどう映るのだろう、といった自意識過剰から来る不安感みたいなもんが積み重なって、その声から逃れるように一軒の居酒屋へと入るのだった。
”安兵衛”なんて巷に溢れるチェーン店のような安っぽい名前が嫌だった。ましてや民芸調のファサードなんてのも、観光客向けの居酒屋のようでイヤだった。それでもこの店を選んだのは、緑の提灯が掛かっていたことと、店先に置かれた看板から地元の料理を味わえそうだったからだった。
暖簾を潜ると、カウンターから奥の座敷まで一杯である。客層は、20代のグループがほとんど。どうやら、観光客向けの店やないか?って先入観は、間違いだったようだ。
「いらっしゃいませ」
「お一人様?」
「こちらへどうぞ」
「すぐ、お席を用意させていただきます」
こちらが逃げ出す暇も与えぬよう畳み掛ける言葉の流れ。
「ちょっと、詰めて貰えますか」
直ぐさまカウンターに隙間を設け、椅子が運ばれてくる。
「済みません」そう、両脇に声を掛け、席に着いた。
注文を取りに来る女の子にビールを頼み、料理はもうちょっと選びます、と断りを入れた。
そんなこんなで選び抜いたアテは、前前から食べてみたいと思っていた"坂下の馬刺"に、郡山地鶏である"けるぷ鶏"ってのと迷いはしたが郡山長沼産の"二瓶豆腐"を絹ごしで、それと、郷土料理だという"イカ人参"を注文する。
残念ながら、"二瓶豆腐"は品切れとのことなので、「それじゃあ、あとで追加します」と告げた。
まず運ばれてきたのは、"イカ人参"
それは、鯣と人参と昆布を醤油で漬け込んだもの。まぁ、まるっきり"松前漬"みたいなもんである。それは粘りのない"松前漬"そのものである。ただそれは、窒息するほど粘りのある"松前漬"のそれとは違い、あっさりつるっと食べやすく、酒のアテ的にはこちらの方が良いかもしれなかった。
ビールを飲み干し、そろそろ酒に行こうか、と品書きを繰ると
「次は日本酒ですか?」
とチームナックスのリーダーに似た店長に声を掛けられた。
「ええ」と好みを伝えると
「これなど如何でしょうか?」と考えていたのよりも安い酒を勧められた。
"穏"
かなり甘口ではあるが、スッキリとした後口でかなり旨い。
それに併せる坂下産馬刺は、熊本で食すよりはかなり高めな値付けではあるものの、そこかしこの居酒屋で出てくる紙をしがむような馬刺の歯触りなどではなく、ネットリとした旨味の拡がる逸品であった。そしてそれに合わせる甘辛い大蒜味噌が又旨かった。これだけで、一晩酒を飲み干せそうな、と云うのは云いすぎではあるが、これを保って次の酒まで引き繋ぐ。
次に頼んだのは燗酒向きだという"燗誂え"
「そんな名前なんですか?」と訊ねると、リーダーより瓶を差し出される。"山廃燗誂(やまはいかんあつらえ)"という銘柄なそうだ。
"1711年の創業以来「旨み」にこだわり続ける金寶が40歳を超えた大人に贈る、とことんやわらかなお燗酒"
これも真に紛う方無き、旨き酒であった。
全然、期待せずに立ち寄った店であったのだが、ボクにとっては絶品の店であった。
ここは、髭の濃い森崎博之のノリががスキって人なら、文句無く楽しめるお店。
もちろんボクは大スキ。郡山で泊まる事があったら、絶対また行く。
男前居酒屋10ヶ条
とっても元気な掛け声
無敵笑顔
気配り目配り心配り
ピカピカ化粧室
満点生ビール
心あったか料理
何にでも感謝の気持ち
疲れたは言わない
仕事も呑みも全力
貴女の記念日は忘れない
※見た目が男前とは限らない
男前居酒屋 安兵衛
住所:福島県郡山市大町1-3-12 居酒屋マップ
電話:024-933-9326
営業時間:17:00~24:00(L.O 23:30)(日~木曜 祝日) 17:00~25:00(L.O 24:30)(金土曜 祝前日)
定休日:無休
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