2007年9月17日月曜日

霊峰月山

リスペクト自生山那谷寺霊と共に

10泊11日
三日目482km

奥村杉キャンプ場-R290-R7-r44-R345-r47-r211-月山-r211-r47-r44-r47-r45-R47-道の駅とざわ-R47-R13-r11-六郷湧水群-r11-R105-R46-r16-盛岡

一昨年は羽黒山、昨年は湯殿山、そして今年は遂に月山。コレで出羽三山完全制覇である。
元々出羽三山というモノは羽黒山、月山は含まれていなかったらしい(古くは葉山・鳥海山・羽黒山)。
僧籍を捨て、神職への道を選んだ羽黒山、捨てきれずに命を失い、今は僅かに大日坊(此の演出がかった商業主義な口上は嫌う人が多そうな気がするが、高額な拝観料を要求する割に大した文化財も持たぬ寺院に比べ、拝観料に見合うだけ楽しませて貰った数少ない寺院の一つである)等の小さな僧坊しか留めぬ湯殿山。この対照的な二山が今は三山として肩を並べている。

建築に携わる者としては、おそらくは国宝となったであろう湯殿山の建築群が消失してしまったことは残念でならないが、その選んだ道が決して間違いであったとも思えない。
ただ、神仏分離や文明開化による廃仏毀釈の波は愚かなことであったと思うしかない。

月山
r211を辿り、八合目月山レストハウスを目指す。幅員は狭いが、路面は良い。木漏れ日差す、そんな気持ち良い道がいつまでも続く。
たまに現れる車をパスしながら先を急ぐ。朝早いこの時間にあっては、対向車は路線バスしかいない。

10:18月山レストハウス 1,385m(GPS)
レストハウス前の駐車場は既に車が溢れ始めていた。車の合間を抜け、バイクだからこそ駐められるスペースへと潜り込む。
トレッキングの格好+金剛杖という出で立ちで登山開始。
麓でスポーツドリンクを購入し忘れていたため、水が500mlしかない。これでは心許ないので少し割高なドリンクを買い足すことにする。

10:32御田ヶ原参籠所 1,447m(GPS)
駐車場からの距離は僅かな為、スカートにサンダル履きといった軽装な人も多く目に付く。此処から山頂月山神社を遙拝するだけで引き返す人達もいる。
焼き印を加熱する間、山小屋の兄ちゃんと言葉を交わす。山頂方面には雲が立ちこめているが雨の心配は無いだろうという。そうであって欲しい。

11:11佛生池小屋 1,735m(GPS)
御田ヶ原参籠所を越えると、そこは既に森林限界である。薄く拡がる雲が日差しを遮り、暑さはあまり感じない。湿原にはポツリポツリ、と小さな池が点在し、名も知らぬ花を咲かせている。
白衣に脚絆、金剛杖といった姿も増えはじめる。一歩、また一歩と聖域に踏み込んでいく、そんな気分が高まっていく。

いつの間にか雲を抜けてしまっていた。雲海の彼方に山々の頂が拡がる。雲の下である八合目よりも、強い日差しが降り注ぐこの地の方がよっぽど暑い。残雪からは湯気のように冷気が立ち上り、その上を渡ってくる風が清涼をもたらす。
残雪では中国人達が遊び、その横を山伏修行の人々が抜けて行く、という奇妙な風景が拡がる。

11:48~12:10月山神社1,984m
お祓いを受け、身体を清めてからの参拝。コレは湯殿山と同じだ。重厚な石垣に囲まれた聖域、その中に鎮座する小さな社、厳かな空間である。
参拝を終え、山頂にてカロリーメイトを囓りながら辺りを見渡す。此処からの眺めは素晴らしいの一言しかない。曾てこの頂に立った人々が神の存在を感じたことも頷ける。
さて、下山するとしよう。また彼の風吹かぬ灼熱の地を抜けて行かなければならない、それだけがウンザリさせられる。

12:40佛生池小屋 1,735m(GPS)

13:14御田ヶ原参籠所1,447m(GPS)
行きよりも帰りの方が長い道のりに感じる。こんなにも御田ヶ原参籠所は遠かっただろうか?もしかして道を間違えたのであろうか?弥陀ヶ原に辿り着いて居るはずなのだが人影が見えない。
そんな不安を抱えたまま暫く歩くと分岐の標識が、どうやら間違えてはいなかったようだ。

13:20月山レストハウス 1,385m(GPS)
再びブーツを履き、革パン、ジャケットを身に纏い、冷え切ったエンジンに火を入れる。旅に出る前にオイル交換を済ませてきたので、調子が良い。先に走り出していったバイクの後を追いかけて行く。
先行するバイクをパスし、さらに進むと勇者御一行様に引っかかってしまった。先頭に遅い車が一台居り、車が数珠繋ぎになっている。コレだけ列なられては、容易に抜くことは出来ない。予定より早く下りて来られたので、羽黒山にも寄っていこうかと思っていたのだが、最早そんな気分ではなくなってしまっていた。

月山(がっさん)
標高:1,984m
山形
日本百名山16
距離往復:10.96km
高低差:599m
場所:山形県東田川郡庄内町立谷澤字本澤31
コース:月山レストハウス-御田ヶ原参籠所-佛生池小屋-月山神社-佛生池小屋-御田ヶ原参籠所-月山レストハウス

月山神社(がっさんじんじゃ)
住所:山形県東田川郡庄内町立谷澤字本澤31
祭神:月読命(月山権現)本地仏:阿弥陀如来
神紋:三つ巴
旧社格:官幣大社
神階:従二位勲三等
名神大社、出羽三山、羽黒派古修験道総本山
大鳥居:高さ20m、幅15m両部鳥居(吉岡鉄太郎氏寄進)
参考URL

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