2008年12月23日火曜日

手打そば 小花庵@川西小花

予算¥1,700(天ぷらそば¥1,700)

ここ川西は、意外とバイクで訪れる機会が多い街だ。他力のでは亀岡へと抜けるため、自力のでは五月山や箕面への中継地点として。そして今回はヒルクライム前のエネルギー補給に立ち寄った。

"手打そば 小花庵"
はたはたはためく新そばの幟が目を引く、人通りも少ない住宅地の外れに位置する蕎麦屋。ここの名物は天ぷらそば。頼むはもちろん天ぷらそば。

注文を受けてからのそば切りのため、少々待ちがある。二十分ほど待ったであろうか、盛りの良い蕎麦と揚げたての天ぷらが運ばれてきた。
しっかりとエッジの立った、緑みを帯びる美しい新蕎麦。二八の更科なため田舎のような強烈な薫りはないが、何も付けずに啜ると青臭く爽やかな香りが仄かに伝わってくる。汁はかえしの割合が少ないのか、鰹の香り高く、醤油のそれは控えめ、甘みも抑えられている。
その蕎麦の盛り以上に気前が良いのが天ぷらの量だ。三ツ葉、椎茸、牛蒡、茄子、南瓜、サツマイモ、蕗のとうに海老が二尾。その全てが馬鹿でかく、分厚く、そして長い。天ぷら屋で出される物とは対極に位置する、厚めの衣を纏った無骨な天ぷらの数々。それを蕎麦つゆに付けて戴く。油が入るから、と蕎麦つゆで天ぷらを食べるのを嫌う人もいるが、私はそこまでこだわりはない。寧ろ油が加わった方が好きなくらいである。だが、天ぷらは昆布の効いた天つゆで戴いた方が美味しい、というのも確かなのだが。
そして、〆の蕎麦湯がこの店の一番特徴付けるものである。蕎麦湯というよりは蕎麦粥と言った方が相応しい、蕎麦の実が加えられたドロドロの蕎麦湯。これが二合徳利でたっぷりと供される。それに粗塩を振り掛け、流し込むように飲み干していった。
"おかわり要りますか?"
空になった徳利を振りながらおっちゃんが話しかけてくる。
天ぷらだけで腹八分はいっている。そこに蕎麦、蕎麦湯を加え、胃の許容量を既に超えていた。いくら美味くてもこれ以上は入りそうになかった。

この腹では五月山は無理。もう少し消化してしまわなければ、とても坂など上れそうもない。因って、これからの予定は、自動的に勝尾寺へ向かうことに決定されてしまった。

手が空くと客いじりにやって来るおっちゃんに、ぶっきらぼうなしゃべりをするおばちゃん。それも含め、ここは他にはない個性を見せる関西が誇る名店のひとつである。

手打そば 小花庵
住所:兵庫県川西市小花2-22-14 蕎麦マップ
電話:0727-57-5045
営業時間:11:00~21:00
定休日:木曜
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